デヴォアティーヌ

デヴォアティーヌ：フランスの航空機メーカー

デヴォアティーヌ（Dewoitine）は、1920年に設立されたフランスの航空機メーカーであり、エミール・デヴォアティーヌによって創業されました。彼は自ら設計した航空機を生産するために「エミール・デヴォアティーヌ航空機製造」を立ち上げ、多くの歴史的な機種を世に送り出しました。

設立と初期の歴史

デヴォアティーヌは1920年10月、エミール・デヴォアティーヌが航空機製造の期待を込めて設立した会社です。初期に製造された機種はフランス空軍にはあまり注目されず、イタリア、スイス、チェコスロバキアなど国外市場に多く出荷されました。1927年には一度清算されるものの、スイス空軍が導入したD.27の製造がスイスの国営軍需企業であるEKWに移管されます。

その後、エミールは1931年に改めて「アヴィオンズ・デヴォアティーヌ / フランス航空機会社」を設立し、その後も様々な機体を生産しました。特にD.500はフランス空軍のために量産され、民間用の旅客機D.332/333やD.338も製造されました。

政府による国営化とその影響

1936年、フランス政府は航空機製造業の国営化プログラムを実施し、デヴォアティーヌはSNCAM（南部航空機製造公社）の一部となりました。この際、他の航空機メーカーが統合される中で、デヴォアティーヌは独立したブランド名を保持していました。その結果、SNCAMでの新しい機種でもデヴォアティーヌの名が引き続き使われました。

第二次世界大戦と代表的な機種

1938年にはデヴォアティーヌD.520が初飛行しました。この機体は第二次世界大戦中のフランスの戦闘機として高い評価を得ており、SNCAMでも集中的に量産が行われました。D.520はその性能から、フランスの航空戦力において重要な役割を果たしました。1941年にはSNCAMがSNCASE（南東航空機製造公社）に吸収され、デヴォアティーヌの名前は以降の新規開発機では使用されることがなくなりますが、D.520の生産は続けられました。

主な機種一覧

デヴォアティーヌが製造した航空機の中で特筆すべきものは以下の通りです：

• - D.1（1922年初飛行）: 単座パラソル翼戦闘機。約500機が製造され、特にユーゴスラビアやフランス海軍に採用。
• - D.7（1924年初飛行）: 単座スポーツ機。限られた数だけが製造されました。
• - D.27（1928年初飛行）: パラソル翼戦闘機。スイス空軍やユーゴスラビアでの運用例があります。
• - D.500（1932年初飛行）: 単座戦闘機。381機が製造され、日本軍も採用しました。
• - D.520（1938年初飛行）: 単座戦闘機として437機が製造され、戦時においても重要な役割を果たしました。

結論

デヴォアティーヌは、その設立から1940年代初頭までの間に数多くの航空機を生産し、技術革新や国際的な軍需市場に対する関与を通じて航空機業界に多大な影響を及ぼしました。最終的には国営企業に吸収されましたが、その名は今でも多くの愛好者や歴史家に語り継がれています。

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