デ・ハビランド シービクセン

デ・ハビランド シービクセン（de Havilland Sea Vixen）

デ・ハビランド シービクセンは、イギリスの航空機メーカーであるデ・ハビランド社が製造した全天候型の艦上戦闘機です。機体の開発は、第二次世界大戦後に行われたもので、元々は戦闘機バンパイアの発展版であるベノムを基にしています。その特徴的なデザインには、直線翼を後退翼に変える改良が加えられ、全天候に対応できる能力を持たせることが目的とされました。

機体の設計と特徴

シービクセンは双胴型機体で、操縦席は中心の軸からわずかに左にずれています。この配置は、レーダー操作を行うためのスペースを確保するためです。また、この機体の名称「シービクセン」は、「雌狐」を意味し、1951年に初飛行を果たしました。しかしながら、翌年のファーンボロー国際航空ショーでのデモ飛行中に機体が空中分解し、29名が亡くなる悲惨な事故が発生しました。この影響で、空軍はビクセンの採用を中止し、代わりに他の機体に切り替えることとなります。

この事故にもかかわらず、イギリス海軍はシービクセンに目を向け、艦上戦闘機としての導入を決定しました。最初は海賊を意味する名前が考えられていましたが、元々の名前に基づきシービクセンが採用されました。そして、艦上運用に向けたさまざまな改良が施されました。

派生型と仕様

シービクセンにはいくつかの派生型があります。最初のビクセン型は陸上機版として空軍から発注されましたが、後にキャンセルされました。その後、シービクセン FAW.1（初期生産型）、シービクセン FAW.2（耐G性能向上型）、シービクセン D3（無人標的機型）などが開発されました。

基本仕様

• - 乗員: 2名
• - 全長: 16.94 m
• - 全幅: 15.54 m
• - 全高: 3.28 m
• - 翼面積: 60.19 m²
• - 空虚重量: 12,679 kg
• - 最大離陸重量: 21,205 kg
• - エンジン: ロールス・ロイス製エイヴォン RA28 Mk 208 × 2
• - 推力: 5,094 kgf
• - 最大速度: 1,110 km/h
• - 航続距離: 1,270 km
• - 上昇限度: 14,600 m
• - 武装: 最大6箇所のハードポイントに装備可能

- マトラ 18 連装 SNEB 68 mm ロケットポッド × 4
- ファイアストリークまたはレッドトップ空対空ミサイル × 4
- 500ポンド（227 kg）爆弾 × 2、レッドベアード核爆弾 × 1

シービクセンはイギリス海軍の航空母艦運用において重要な役割を果たし、その特徴的なデザインと運用能力から高い博同性を有する機体となりました。

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