トゥエンティ20

トゥエンティ20（T20）クリケットの概要

トゥエンティ20、またはT20は、クリケットの試合形式の一種で、各チームが1イニングで20オーバー（120球）を投げるというルールのもと、比較的短時間で試合が完結します。一般的には、試合は約3時間で終了し、観客や視聴者にとっても楽しみやすい形になっています。

この形式は、2003年にイングランド・ウェールズクリケット委員会（ECB）によって国内大会で導入され、2005年には国際試合でも初めて採用されました。特に、男子のICC T20ワールドカップは2007年に南アフリカで開催され、その後、女子大会も2009年より開始されました。2022年の男子大会では、ICCの動画配信プラットフォームでの視聴回数が65億8000万回に達し、注目度の高さを証明しています。

T20形式の特長

T20の大きな特長は、短い時間枠の中でスピーディーに試合が進行し、ドラマチックな展開が期待できる点です。観客にとっては試合を観戦しやすく、テレビ中継でも視聴者を楽しませる内容になっています。また、試合が夜のプライムタイムに行われることも多いため、テレビ視聴率の向上にも寄与しています。

クリケットの試合は、通常、テストマッチやワン・デイ・インターナショナル（ODI）など、時間を要する形式もありますが、ECBはT20形式が従来の試合形式に取って代わるものではないと明言しています。そのため、T20、ODI、テストといった異なる形式が今後も魅力的に競技され続けるでしょう。

試合中は外野の守備人数に制限があり、特にパワープレイと呼ばれる最初の6オーバー（P1）では2人まで、以降の段階（P2）では5人までの守備が求められます。これにより、攻撃的でダイナミックなプレイが促進されています。

人気のプロリーグ

現在、T20形式は世界各地で盛んに行われており、特にインディアン・プレミアリーグ（IPL）がその代表格です。IPLは2008年に始まり、トップ選手たちが集まるリーグであり、その放映権料は非常に高額で、2023年からは5年間で総額4839億ルピー（約8470億円）の契約が結ばれています。この金額は、アメリカのNFLに次いで世界的に見ても非常に高いものです。

また、オーストラリアのビッグ・バッシュ・リーグや西インド諸島のカリビアン・プレミアリーグも多くのファンを抱え、高い人気を得ています。2023年にはアメリカでもメジャーリーグクリケット（MLC）がスタートし、T20形式はますます浸透しています。

女子クリケットにおいても、T20形式は急速に発展しており、2023年にはインドで女子プレミアリーグ（WPL）が開幕しました。WPLは女子プロスポーツリーグとして非常に高い経済規模を持ち、バスケットボールのWNBAに匹敵する存在となっています。

国際的な評価

T20の国際試合では、男子ナショナルチームが87チーム、女子ナショナルチームが66チームが参加しています。国際クリケット評議会（ICC）によるT20の世界ランキングも発表されており、定期的に更新されています。また、国内でT20形式を採用している国には、イングランド、南アフリカ、インド、オーストラリアなどがあり、日本でもジャパンカップやプレミアリーグがT20形式で行われています。アジア競技大会でも2010年からT20形式が導入されています。これらの要素が、T20がクリケット界における新たなスタイルとして位置付けられる理由です。

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