トキワ来たれり!!

トキワ来たれり!!

『トキワ来たれり!!』は、松江名俊によって『週刊少年サンデー』で2015年から2017年まで連載された漫画作品です。スクールバトルというジャンルを基軸に、ファンタジー要素を色濃く打ち出した作品として知られています。

概要

本作は、主人公・八坂トキワの周りに集まる、忍者、源術師、ヒューマノイドといった、それぞれが主人公のような個性的なキャラクターたちが織りなす物語です。前作『史上最強の弟子ケンイチ』の完結から間を置かずに連載が開始され、異例なことに、本編開始前に3つの読切作品で各キャラクターの前日譚が描かれました。

物語は魔法やロボットが存在する世界観で展開されますが、前作のキャラクターと兄弟関係にある人物が登場したり、隣町に前作に登場した道場が存在するなど、世界観は前作と共通しています。作者によると、連載開始の背景には、雑誌の状況を考慮し、前作の伏線を全て回収するよりも新しい作品で雑誌を盛り上げたいという意向があったとのことです。本作のテーマは「擬似家族」であり、主人公トキワの成長を中心に物語が展開されます。

2016年には本作のアニメCMが制作され、放送されました。

あらすじ

平凡な高校生、八坂トキワは、小説を執筆する趣味を持つ少年。しかし、彼の日常は、忍者の草薙カナタ、源術を操る弥多ハルカ、そして人造人間の牧那デウスといった特異な仲間たちの出現によって一変します。彼らは単なるクラスメイトでしたが、ある日、同じ夢を見ていることが判明し、それぞれの事情が絡み合い、トキワの退屈な日常は劇的に変化していきます。

登場人物

八坂トキワ
本作の主人公。ごく普通の高校生でしたが、デウスとの出会いをきっかけに、非日常的な世界に足を踏み入れます。人の感情に敏感で、いざという時には強い意志と行動力を発揮します。リーダーシップを発揮しトキワ団のリーダーに任命されます。

草薙カナタ
忍者の末裔で、妖異から人々を守る使命を担っています。高い身体能力を持ちますが、現代社会に馴染めない一面も。友情に厚く、仲間を大切にする好青年です。

弥多ハルカ
源術師の少年で、クールな外見とは裏腹に、熱い正義感を持っています。アリアの保護に強い責任感を抱き、行動を共にします。

牧那デウス
人造人間で、人間の感情に興味を持っています。当初は感情が理解できませんでしたが、トキワたちとの交流を通して徐々に変化していきます。トキワが幼い頃にできた最初の友人。

八重垣めぐる
カナタの幼馴染で、生徒会長を務める才女。トキワ団の活動をサポートする役割を担っています。

弥多アリア
「アニマムンディーの乙女」と呼ばれる謎の少女。源術の要訣を知り、他者に源術を使えるようにしたり、生命力を与えるなど、様々な特殊能力を持っています。

りいん
電脳空間に存在する謎の少女。トキワたちの夢に現れ、助言を与えます。後に肉体を得て、現実世界に現れます。

ネヌ
DEM IIが開発した猫と犬の中間種。高い知能を持ち、人間の言葉を話すことができます。トキワを慕い、トキワ荘で暮らしています。

作中に登場する勢力

刃隠衆
カナタが所属する忍びの一族。和魂を硬質実体化させる「志念抜刀法」を使う。

幻魔衆
妖異を捕獲し、武器として使う忍びの一族。刃隠衆とは敵対関係にある。

光の目
源術師至上主義を掲げる集団。アニマムンディーの乙女を狙い、世界の覇権を握ろうとします。

エニグマ
科学力を信奉する集団。科学技術で世界を支配しようと目論んでいます。

用語解説

三つ巴
本作における勢力間の力関係を表す言葉。科学は忍術に、忍術は源術に、源術は科学に強いという、三すくみの関係を示しています。

シン
魂を持つ者が持つ心のエネルギー。忍術やソーサリーの力源となります。

源術（ソーサリー）
物理法則を超越した力。術を使うには、キーとなるアイテムを認識し、呪文を唱え、「審判の目」と呼ばれる存在に承認される必要があります。

妖異幻怪
「彼の地」と呼ばれる異世界から現れる存在。通常、物理攻撃は通用しません。

天啓の勇傑
「存在の時」に現れる脅威から人々を守るために戦う者たち。

アニマムンディーの乙女
世界の覇権を握る鍵とされる巫女。その感情が「彼の地」への扉を開く力となります。


『トキワ来たれり!!』は、個性的なキャラクターたちが織りなす、ファンタジー要素満載のスクールバトル漫画です。友情や成長、そして家族の絆をテーマにした物語は、読者を魅了し、多くのファンを獲得しました。

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