トッド・ブラック

アメリカ合衆国を拠点に活動する映画プロデューサー、トッド・ブラックは、1960年2月9日に生まれました。

1980年代後半から映画製作の世界に足を踏み入れ、初期には共同製作としてキャリアをスタートさせました。『対決スペルバインダー』（1988年）や『傷だらけの青春』（1988年）、ホラー作品『ガーディアン/森は泣いている|ガーディアン_森は泣いている』（1990年）などが、彼のプロデュースワークの初期にあたる作品です。

その後、『天国に行けないパパ』（1990年）で製作クレジットを手がけて以降、その活動は本格化します。テレビ映画や長編映画を問わず、精力的に作品を生み出し続けました。1990年代前半には、『刑事ジョー ママにお手上げ』（1992年）のようなコメディや、未知との遭遇を描いた『ファイヤー・イン・ザ・スカイ/未知からの生還』（1993年）、人間ドラマ『潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ』（1993年）など、多様なジャンルに挑戦しています。同時期にはテレビ映画『ワーニング/未知からの警告』（1993年）の製作総指揮も務めました。

1990年代半ばから後半にかけてもその勢いは衰えず、『Let'sチェックイン!』（1996年）や『ファミリー/再会のとき』（1996年）といった作品に携わります。2000年代に入ると、『ROCK YOU!』（2001年）やデンゼル・ワシントンと初めて組んだ『アントワン・フィッシャー きみの帰る場所』（2002年）、ロマンティック・コメディ『あなたにも書ける恋愛小説』（2003年）、ニコラス・ケイジ主演の『ニコラス・ケイジのウェザーマン』（2005年）など、商業的にも批評的にも注目される作品を次々と発表しました。

特に、ウィル・スミス主演の感動的な人間ドラマ『幸せのちから』（2006年）は広く知られており、彼の代表作の一つに挙げられます。その後も、『グレート・ディベーター 栄光の教室』（2007年）、『7つの贈り物』（2008年）、『ノウイング』（2009年）、デンゼル・ワシントン主演の『サブウェイ123 激突』（2009年）など、様々なテーマやスケールの作品を手がけました。

2010年代以降も、ジェニファー・ロペス主演の『カレには言えない私のケイカク』（2010年）、メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズ共演の『31年目の夫婦げんか』（2012年）、キャメロン・ディアス主演のコメディ『SEXテープ』（2014年）、ヴィンス・ヴォーン主演の『ビジネス・ウォーズ』（2015年）などをプロデュースしています。

この時期の彼のキャリアにおいて特筆すべきは、俳優デンゼル・ワシントンとの非常に強固な協力関係です。『イコライザー』（2014年）とその続編『イコライザー2』（2018年）といったアクションスリラーシリーズを手がけた他、ジェイク・ギレンホール主演のボクシング映画『サウスポー』（2015年）、西部劇のリメイク『マグニフィセント・セブン』（2016年）でもワシントンと組んでいます。

そして、ワシントンが監督・主演を務めた『フェンス』（2016年）では、ブラックはプロデューサーとして参加。この作品は高く評価され、彼はスコット・ルーディン、デンゼル・ワシントンと共に第89回アカデミー作品賞の候補となりました。このノミネートは、プロデューサーとしての彼の功績が広く認められた証と言えるでしょう。

デンゼル・ワシントンとのパートナーシップはその後も継続しており、法律ドラマ『ローマンという名の男 -信念の行方-』（2017年）、ブラッキー・マーフィー主演の『マ・レイニーのブラックボトム』（2020年）、ワシントン監督・主演作『きみに伝えたいこと』（2021年）などをプロデュースしています。さらに、サム・ワシントン主演で今後の公開が待たれる『自由への道』（2022年）や、デンゼル・ワシントンと娘のオリヴィア・ワシントンが出演する『ピアノ・レッスン』（2024年）なども彼のプロデュース作品リストに含まれています。

トッド・ブラックは、30年以上にわたるキャリアを通じて、人間ドラマからアクション、コメディまで、多岐にわたるジャンルの映画製作に携わってきました。特にデンゼル・ワシントンをはじめとする才能ある俳優や監督との継続的な協業は、彼の作品群の特徴の一つです。アカデミー賞ノミネート経験を持つ彼の豊富なフィルモグラフィは、ハリウッドにおける彼の影響力と成功を示しています。

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