トニー・ローチ

トニー・ローチについて

トニー・ローチは、1945年5月17日生まれのオーストラリアの男子プロテニス選手で、特に1966年の全仏選手権での優勝が有名です。彼はニューサウスウェールズ州出身であり、左利きのスタイルで知られています。そのテニススタイルは、ユニークなサービスと華麗なボレーに特徴づけられ、多くのファンを魅了しました。フルネームはアントニー・ドールトン・ローチです。

テニスのキャリア

ローチのキャリアは、1965年から1967年にかけての全仏選手権の男子シングルスでの成功によって開始されました。特に1966年には、決勝戦でハンガリーのイシュトヴァン・グヤーシュをストレートセットで破り、彼の名声を確立しました。しかし、1967年にはロイ・エマーソンに敗れ、2連覇の夢を逃しました。

1968年にテニス界は「オープン化」に踏み切り、プロ選手も4大大会に出場できるようになりました。ローチもプロテニス選手に転向し、同年のウィンブルドンで決勝に進出するものの、先輩のロッド・レーバーに敗北しました。その後も全米オープンで1969年及び1970年に準優勝し、特に1969年にはレーバーの「年間グランドスラム」を目撃することになりました。ローチは4大大会のシングルス決勝に6度進出しながらも、1勝5敗という成績で、オーストラリアテニスの充実した選手層を如実に物語っています。

慢性的な肩と肘の故障が彼の成績を阻害したこともあり、シングルスでの運に恵まれなかった部分もありました。

ダブルスでの成功

トニー・ローチは、ダブルスにおいても優れた能力を発揮しました。特に、ジョン・ニューカムとのペアは非常に成功した組合せで、4大大会の男子ダブルスで13勝を記録しました。具体的には、全豪オープンで5回、全仏オープンで2回、ウィンブルドンで5回、全米オープンで1回の勝利を収めました。このペアがすべての4大大会の男子ダブルスタイトルを獲得した組の1つとして名を刻んでいます。また、混合ダブルスでも1966年と1976年に優勝を果たしました。

引退後の活動

ローチは1986年に国際テニス殿堂に入っており、引退後はコーチとしても成功を収めています。彼はイワン・レンドル、ロジャー・フェデラー、レイトン・ヒューイットなど、数々のトッププロ選手たちのコーチを務め、彼らの成長に貢献してきました。

結論

トニー・ローチは、輝かしいテニスキャリアを持つ選手であり、またコーチとしても数多くの若手選手に影響を与えてきました。彼のプレースタイルや成功は、オーストラリアテニス界に多大な貢献をしたと言えます。テニス界における彼の存在は、今後も色あせることはないでしょう。

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