トマホーク・チョップ

トマホーク・チョップとは

トマホーク・チョップは、アメリカ合衆国のフロリダ州立大学を起源とするスポーツの応援スタイルの一つです。観客がトマホーク（インディアンの斧）を模した応援グッズを振り下ろす動作が特徴で、特にMLBのアトランタ・ブレーブス、NFLのカンザスシティ・チーフスといったチームが、この応援スタイルを採用していることで知られています。

起源：フロリダ州立大学

トマホーク・チョップは、元々フロリダ州立大学のスポーツチーム「セミノールズ」の応援として始まりました。同大学のマーチングバンドが演奏する、ステレオタイプな「インディアン風」の太鼓音楽に合わせて、観客が立ち上がり、トマホーク型の応援グッズを振り下ろすスタイルが確立されました。

トマホーク・チョップを採用するスポーツチーム

アトランタ・ブレーブス

ブレーブスがトマホーク・チョップを採用するようになったきっかけは、1991年にフロリダ州立大学出身のディオン・サンダースが加入したことだとされています。当初は、サンダースが試合に出場した時のみ行われていましたが、ブレーブス自体も、昔からマスコットや球団ロゴにインディアンを使用していたこと、胸のマークがトマホークだったこともあり、次第にチーム全体の応援として定着していきました。現在では、本拠地での試合で得点のチャンスを迎えると、スクリーンにトマホークの映像が流れ、ファンが音楽に合わせて応援グッズを振り回すのが定番となっています。

カンザスシティ・チーフス

チーフスでトマホーク・チョップが初めて行われたのは1990年11月で、ノースウェスト・ミズーリ州立大学のマーチングバンドが演奏を担当しました。指揮者は、フロリダ州立大学の卒業生であり、トマホーク・チョップの発祥に深く関わっていました。選手やコーチからの評判も良く、以後、チーフスの名物応援として親しまれています。

エクセター・チーフス

イングランドのラグビーチームであるエクセター・チーフスは、2010年にチーム名にちなんだ応援としてトマホーク・チョップを採用しました。

その他

アメリカ国外でも、日本の高校野球や高校サッカーなどで、応援としてトマホーク・チョップが使用されることがあります。

論争：人種差別との批判

トマホーク・チョップは、インディアン民族を意匠化した応援であるため、かねてよりインディアン民族や有識者から「人種差別である」との批判や抗議を受けています。この応援スタイルが、先住民族に対する侮辱や文化の盗用にあたるとして、問題視する声が上がっています。

問題提起を受け、近年ではトマホーク・チョップの使用を自粛する動きも見られます。しかし、長年親しまれてきた応援スタイルであるため、その是非を巡る議論は今も続いています。

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