トミー・ラソーダ

トーマス・チャールズ・ラソーダ

トーマス・チャールズ・ラソーダ（1927年9月22日 - 2021年1月7日）は、アメリカのプロ野球界で長い間影響を与え続けた選手および監督です。彼はペンシルベニア州ノリスタウン出身であり、1944年にフィラデルフィア・フィリーズに入団し、その後ブルックリン・ドジャースに移籍してメジャーデビューを果たしました。ラソーダの現役時代は1954年から1956年までの短いものでしたが、彼はその後の野球界において重要な役割を果たしていきます。

現役時代

ラソーダは、ブルックリン・ドジャースでプレーした後、1956年にはカンザスシティ・アスレチックスに移籍しました。しかし、彼の通算成績は0勝4敗、防御率6.48と決して振るわないもので、多くの選手の中でも途中でマイナーリーグに降格されることもありました。結局、彼のメジャーリーグでのキャリアは短命に終わり、1960年に現役を引退しました。

引退後のキャリア

現役引退後、ラソーダはドジャースのスカウトとしての役割を担い、その後は指導者としての道を歩み始めました。1966年から1968年にかけてオグデン・ドジャースの監督として優勝を果たし、1972年にはロサンゼルス・ドジャースの三塁コーチに任命されました。これは彼がその後長い間行った監督職への布石でもありました。

1976年になると、ドジャースの監督に就任します。彼はこの役割を約20年間果たし、1996年に健康上の理由で退任するまで、チームの顔としての地位を確立しました。監督としては1599勝1439敗という成績を収め、地区優勝8回、リーグ優勝4回、そしてワールド・シリーズ優勝を2回果たしています。この間、ラソーダは選手たちに「あなたの個人名のためではなく、チーム名のためにプレーすべき」という教えを伝え続けました。

引退後の栄誉

1997年、ラソーダはアメリカ野球殿堂入りを果たし、彼の番号「2」はドジャースの永久欠番として敬意を表されることとなります。その後も彼は名誉顧問として活動し、2000年にはシドニーオリンピックでアメリカ代表チームの監督を務め、金メダル獲得に貢献しました。さらに、2005年にはPBSFから「20世紀最高の監督」に選ばれ、「トミー・ラソーダ賞」も創設されました。

日本との関係

ラソーダは日本球界との関係にも恵まれ、特に近鉄と関わりを持ちました。彼は野茂英雄を獲得し、その活躍を支えたことで日本でも有名になりました。また、彼は自身を「親日家」として位置付け、長嶋茂雄や星野仙一を兄弟のように語るなど、日米野球交流にも大きく寄与しました。

最後の時

2021年1月7日、ラソーダは93歳で逝去し、彼の死は野球界に大きな衝撃を与えました。彼の遺した教えや功績は、今後も多くの人々に語り継がれていくことでしょう。ラソーダの存在は、野球界における情熱と忠誠心の象徴として記憶され続けるに違いありません。

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