トム・ハーキン

トーマス・リチャード「トム」・ハーキン

トーマス・リチャード「トム」・ハーキン氏は、1939年11月19日にアメリカのアイオワ州カミングで生まれた政治家で、民主党に所属しています。1985年から2015年までアイオワ州選出の連邦上院議員として活動し、その間、上院の農業委員会の委員長を幾度も務めました。

生い立ち

ハーキン氏は、父親が炭鉱夫で母親がスロベニア系という家庭に生まれ育ちました。母親は彼が10歳の時に亡くなりました。彼は1962年にアイオワ州立大学を卒業し、同年から1967年にかけて海軍に従軍しました。この期間中、彼は日本の厚木基地やグァンタナモ米軍基地に配属されました。その後、1972年には法務博士号を取得しました。

政治歴

ハーキン氏の政治キャリアは1974年にアメリカ合衆国下院議員に当選したことから始まりました。彼は5回連続で下院議員に選出されています。1984年には上院議員に転身し、4期連続で当選を果たしました。

1992年のアメリカ合衆国大統領選挙では、民主党の候補者指名争いに参加しました。特に地元アイオワ州において76%の得票を得るなど、地元の支持を集めましたが、他の州での支持を広げることができず、ビル・クリントンが候補者に選ばれました。ハーキン氏はアイオワ州の利を活かした候補者ながらも、その後の大統領選挙には及びませんでした。

彼は2000年の大統領選でもアル・ゴアの副大統領候補の一人として名前が上がりましたが、最終的には他の候補者に選出されることとなりました。2001年に彼は「ハーキン・エンゲル議定書」を締結し、ココア豆生産現場における児童労働の根絶に向けた取り組みを始めました。2004年の大統領選挙ではハワード・ディーンを支持しました。

その他の活動

ハーキン氏は、その社会貢献活動でも知られています。ビル・クリントンの選挙運動を題材にした小説『プライマリー・カラーズ』には彼をモデルにしたキャラクターが登場し、工場労働者を守る立場を表現しています。この小説は後に映画化され、ロバート・シモンズがそのキャラクターを演じました。

また、彼は障害を持つ人々の権利擁護にも熱心で、特に兄が聴覚障害者であった経験からこの分野に関心を持っています。民主党大会では手話を取り入れたスピーチを行うことが恒例となっています。

さらに、2007年には韓国との米韓自由貿易協定に関して、牛肉輸入の完全再開がされるまで批准すべきでないとの意見を表明するなど、貿易問題についても積極的に発言しています。

ハーキン氏の政治的影響力や社会貢献の姿勢は、アイオワ州のみならず全米における重要な手本となっています。

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