トム・プライス (アメリカ合衆国の政治家)

トーマス・エドマンズ・プライスについて

トーマス・エドマンズ・プライス（通称トム・プライス）は、1954年10月8日に生まれたアメリカ合衆国の医師および政治家です。共和党に所属し、2005年からアトランタ北部のジョージア州第6選挙区を代表する下院議員として活躍しています。彼は、党内でさまざまな重要な役職を歴任し、特に保健福祉に関する問題に対して深い知識と経験を持つ人物とされています。

彼のキャリアの中で、プライスは共和党調査委員会や下院共和党政策委員会の委員長を務め、さらに下院予算委員会の委員長としても重要な役割を果たしてきました。特に印象的なのは、ドナルド・トランプ政権下でアメリカ合衆国保健福祉長官に任命されたことで、健康政策における彼の影響力は計り知れません。

保健福祉長官就任

プライスは、2016年11月29日にドナルド・トランプ次期大統領からアメリカ合衆国保健福祉長官として指名されました。彼の任命は、トランプ政権の医療政策の柱となるものであり、医療制度に対する改革を目指すものでした。この任命は、共和党が医療政策において長年にわたり積み重ねてきた経験を重視し、プライスの医師としてのバックグラウンドを評価したものでした。

2017年2月10日、上院での承認投票において、プライスは52票対47票の僅差で保健福祉長官としての地位を確保しました。この時、民主党はメディケアに対する基本的な変更に反対の立場を示しましたが、共和党はプライスが20年以上の医療従事経験を持つことをアピールし、彼の資質を支持しました。

物議を醸した辞任

プライスの就任期間は、メディケアや健康保険制度について多くの議論を生み出しました。特に、彼の在任中にウェストバージニア州チャールストンで起きた事件が注目されました。2017年5月9日、プライスがオバマケアについて質問を受けた際、記者が妨害行為をしたとして現行犯逮捕された事件が報じられ、プライス自身も混乱を引き起こす一因となりました。この事件は、多くのメディアに取り上げられ、記者が意見表明をするために逮捕されることの是非が議論されるきっかけとなりました。

しかし、その後、プライスは2017年9月29日に保健福祉長官を辞任することになりました。主な理由として、彼が国内出張の際にプライベートジェットを使用し、約4500万円もの公費を支出したことが挙げられます。この件に関して、トランプ大統領が公に不快感を示し、事実上の解任と見なされるコントローバルな状況が生まれました。彼の後任として、ドン・Ｊ・ライトが保健福祉長官の職務を代行することとなりました。

トーマス・エドマンズ・プライスのキャリアは、医療政策における重要な役割を果たした一方で、様々な論争や問題も抱えていました。彼の影響力は、アメリカの健康政策において未だに評価され続けており、その活動は今後も注目されることでしょう。

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