トランスフォーマー (曖昧さ回避)

「トランスフォーマー」（英語ではtransformerまたは複数形のtransformers）という名称は、その使われる状況によって実に多様な対象を指し示す可能性があります。広く知られているのは、タカラトミーが生み出した変形するロボット玩具を核とした一大メディアミックスシリーズですが、それ以外にも様々な分野でこの言葉が登場します。

玩具と関連作品

この言葉を聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、株式会社タカラトミー（旧タカラ）が開発した変形ロボット玩具シリーズでしょう。このシリーズは、自動車や航空機、動物などからロボットへと変形する独自のコンセプトで人気を博し、玩具を中心にアニメーション、映画、コミックなど、様々なメディアに展開する巨大なフランチャイズへと成長しました。アメリカ合衆国ではハズブロ社が「Transformers」という名称で展開しており、国際的な人気を獲得しています。日本語で表記される際には、単数形か複数形かにかかわらず、「トランスフォーマー」と末尾の「S」が省略されることが一般的です。

映像作品

トランスフォーマーシリーズからは多数の映像作品が誕生しています。その草分けとなったのは、アメリカで1984年から1986年、日本では1985年から1986年にかけて放送されたテレビアニメーション『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』です。また、シリーズ初期の物語を描いた劇場用アニメ映画『トランスフォーマー ザ・ムービー』が1986年に公開されました。さらに、2007年には実写映画『トランスフォーマー』が公開され、これ以降、同シリーズを基にした一連のSFアクション実写映画シリーズが製作され、世界的なヒットを記録しています。

コミックス

玩具や映像作品と並行して、コミック作品も展開されています。たとえば、アメリカでかつて出版されていたドリームウェーブ社版の『トランスフォーマー』コミックなどが存在します。

芸術とエンターテインメント（シリーズ以外）

トランスフォーマーという名称は、上記シリーズとは直接関係のない文脈でも使用されることがあります。

日本の音楽シーンにおいては、3人組のロックバンドが「THE TRANSFORMER」として活動しています。
著名なミュージシャンであるルー・リードが、1972年に発表したソロアルバムのタイトルに『トランスフォーマー』を用いています。
日本のロックバンドTRICERATOPSが、2006年にリリースしたシングルのタイトル曲も「トランスフォーマー」です。

その他の用途

架空の生物: トランスフォーマーシリーズの世界観において、変形能力を持つ架空の生物を指す言葉としても登場します。

科学技術分野

科学技術の分野では、まったく異なる意味で使用されます。

変圧器: 電気回路において、電圧を上げたり下げたり、あるいは電流を変化させたりする電気機器を「変圧器」と呼び、しばしば「トランス」と略されます。これも「トランスフォーマー」の一種です。
Transformer TX: アメリカで進められている航空機の開発プロジェクトの一つに、この名称が冠されたものがあります。
* Transformer (機械学習モデル): 近年、特に自然言語処理の分野で目覚ましい成果を上げている深層学習モデルのアーキテクチャの一つに「Transformer」があります。これは、文章中の単語間の関連性を効率的に学習するために考案されたモデルです。

このように、「トランスフォーマー」という言葉は、文脈によって変形ロボットから電気機器、あるいは最新のAI技術まで、実に幅広い事柄を指す可能性があるのです。

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