トリさん

トリさん - 松本零士の独特な鳥

トリさんは、松本零士が手掛けた漫画やアニメ作品に登場する架空の鳥で、松本が新人時代に過ごした下宿生活の影響を受けていると言われています。このキャラクターは、近所で飼われていた話し好きなオウムとカラスをモデルにして作られました。

容姿と性質

トリさんの外見は非常に特徴的です。全身はカラスのように真っ黒で、細長い首と小さな丸い頭部を持つ彼は、白い小さな目と長いくちばしを特徴としています。性格は多面的で、一面では大変騒がしく、奇声を発しますが、他方では主人に対しては比較的従順であり、悲しい出来事には涙を流すこともあります。トリさんは雑食性で、多様な食物を好むものの、その食い意地の汚さや酒癖の悪さから、時にはくちばしを布で縛られるような場面も見受けられます。

作品への登場

ガンフロンティア

トリさんが初めて登場したのは『ガンフロンティア』です。この作品では、西部地域に生息するハゲタカの仲間として描かれています。

男おいどん

『男おいどん』でもトリさんは重要な役割を果たします。主人公である大山昇太のペットとなり、「アオーッ!!」と大声で鳴いたり、昇太の言葉に「な～にか」と返事をするなど、彼のコミカルな存在感を際立たせます。最初は言葉を真似するだけでしたが、次第にその人語を理解し、感情を持つ存在として進化していきました。物語の終盤では、大山昇太が去った後に涙を流すシーンも感動的です。

銀河鉄道999

『銀河鉄道999』の劇場版でもトリさんは重要な場面で登場しています。星野鉄郎と共にトチローの最期を見届け、その後、トチローの墓を訪れる場面は特に印象に残ります。この時、トリさんの鳴き声はアニメ版ハーロックとは異なり、特徴的な濁音が含まれています。

宇宙海賊キャプテンハーロック

『宇宙海賊キャプテンハーロック』では、ハーロックの肩に止まる形で登場し、仲間たちとのコミカルなやり取りや食事を共にする様子が描かれています。特にアルカディア号のコック長であるますさんとトリさんのやり取りは、視聴者に笑いを提供します。

他作品での類似種

松本零士の作品には、トリさんに似た印象を持つ鳥たちも登場します。『宇宙戦艦ヤマト』には、ドメルのペットとして飼われるロクロック鳥が登場し、それはトリさんとは異なる独自の特徴を持っています。また、銀河鉄道999の「怪鳥ロック」や『クイーン・エメラルダス』の愛鳥ハーハーも、トリさんと何らかの関連があります。

まとめ

トリさんは、松本零士の多様な世界観の中で特異な存在感を放っているキャラクターです。彼の愛らしさや、独特なキャラクター性は、多くのファンに支持されています。トリさんは単なるペットとしての立場を超え、作品全体に深みを与える重要なキャラクターとなっているのです。

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