トリマ (工具)

トリマは、木材の縁を飾るトリミング加工に特化した、小型の木工用電動工具です。JIS規格では「トリマ」と表記され、国内主要メーカーのカタログでもこの名称が採用されています。時折「トリマー」と表記されることもありますが、一般的には「トリマ」が正しい名称です。

特徴

トリマは、片手で容易に扱えるコンパクトな設計が特徴です。高速回転するビットを先端に取り付け、木材の端を削ったり、溝を掘ったり、面取りをしたりといった様々な加工を行います。ビットの回転数は約3万回転/分と非常に高速で、精度の高い加工が可能です。国内で一般的に使用されるビットの軸径は6mmですが、欧米製では1/4インチ（6.35mm）が主流です。

トリマは、ルータを小型化したものと捉えることができます。ルータと同様に、作業前に刃先の切削深さを調整する必要があります。この調整を適切に行うことで、均一で美しい仕上がりを実現することができます。

用途

トリマの主な用途は、木材の縁飾り加工です。具体的には、以下のような加工が可能です。

面取り: 木材の角を丸くしたり、斜めに削ったりする加工です。安全性の向上やデザイン性を高める効果があります。
溝切り: 木材に溝を掘る加工です。はめ込み加工や装飾的な溝を作る際に用いられます。
倣い加工: 型板に沿って木材を削る加工です。同じ形状の部品を複数作る際に便利です。
飾り面加工: 特殊な形状のビットを使用することで、様々な装飾的な加工を施すことができます。

使用上の注意点

トリマは高速回転する工具であるため、使用には十分な注意が必要です。以下の点に留意して、安全に作業を行いましょう。

保護具の着用: 作業中は必ず保護メガネや防塵マスクを着用し、切削粉や破片から目を守りましょう。
正しいビットの選択: 加工する木材や目的に合ったビットを選び、しっかりと取り付けてください。
無理な力の禁止: トリマを無理に押し付けたり、力を加えたりすると、ビットが破損したり、怪我をする危険性があります。
切削深さの確認: 作業前に必ず切削深さを調整し、試し削りを行ってから本番の加工を行いましょう。
安全な作業環境: 周囲に人がいないことを確認し、安定した場所で作業を行いましょう。

その他

トリマは、DIY愛好家や木工職人にとって欠かせないツールの一つです。様々なビットを使い分けることで、多様な木工加工に対応できるため、創造的なDIYプロジェクトに役立ちます。関連工具としては、より大型で強力なルータが挙げられます。ルータはより大きな加工や複雑な形状の加工に適しており、トリマと併用することで、さらに幅広い木工表現が可能になります。

参考文献

『DIY道具事典』学研パブリッシング、2010年。

関連項目

* ルータ (工具)

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