トルティージャ

トルティージャ：スペインを代表する伝統料理

スペインの国民的料理として愛されるトルティージャは、スペイン風オムレツとして知られる、太陽のような丸い形をした黄金色の卵料理です。ランチやディナーはもちろん、ピクニックや持ち寄りパーティーなど、様々なシーンで楽しまれています。

トルティージャの種類

「トルティージャ」と一言で言っても、その種類は多岐に渡ります。基本となるのは「トルティージャ・エスパニョーラ」で、ジャガイモ入りのオムレツを指します。しかし、材料によって様々なバリエーションが存在します。

トルティージャ・エスパニョーラ (Tortilla Española): ジャガイモと玉ねぎを炒め、卵液で焼き上げた定番のトルティージャ。スペイン料理の代表格と言えるでしょう。
トルティージャ・ア・ラ・フランセサ (Tortilla a la Francesa): ジャガイモなどの具材を使わず、卵のみで作るプレーンオムレツ。フランス風トルティージャとも呼ばれます。
トルティージャ・デ・ハモン (Tortilla de Jamón): ハム入りのトルティージャ。
トルティージャ・デ・エスパラガス (Tortilla de Espárragos): アスパラガス入りのトルティージャ。

その他にも、小エビやひよこ豆の粉を使ったトルティージャ・デ・カマローネス、トウモロコシの粉を使ったトルティージャ・デ・マイスなど、地域や好みによって様々なアレンジが楽しまれています。

世界におけるトルティージャ

スペイン以外の中南米諸国では、「スペイン風トルティージャ」や「トルタ」と呼ばれ親しまれています。特に「トルタ」は、厚焼きの料理全般を指すこともあり、ケーキなどもトルタと呼ばれることがあるため注意が必要です。メキシコでは、肉やアボカドなどを挟んだサンドイッチをトルタと呼ぶケースも見られます。しかし、キューバやアルゼンチンなど、スペインの影響が強い国々では、単に「トルティージャ」と言えば本項で紹介する卵料理を指すことが多いです。

トルティージャ・エスパニョーラの作り方

トルティージャ・エスパニョーラは、ジャガイモ、玉ねぎなどの具材を炒め、塩で味を調えた卵液と混ぜ合わせてフライパンで焼きます。一般的なオムレツのように袋状にせず、フライパンの形のまま焼くのが特徴です。厚めに焼く場合は、大皿などを使って裏返し、両面をじっくりと焼き上げます。弱火でじっくりと蒸し焼きにすることで、ふっくらと仕上がります。

具材はジャガイモが基本ですが、好みに応じて生ハム、エビなど様々な食材を加えることができます。まるで日本のお好み焼きのように、作り手によって様々なバリエーションが生まれています。オリーブオイルを使用し、ニンニク風味のオリーブオイルを使えば、より本格的な味わいを演出できます。スペインでは、半熟ではなく、しっかりと焼き上げたものが好まれています。

トルティージャの歴史

歴史家ハビエル・ロペス・リナヘによると、トルティージャは1798年2月、バダホス県のビジャヌエバデラセレナという村出身のJoseph de Tena Godoyによって初めて作られたとされています。

まとめ

シンプルながらも奥深い味わいと、様々なバリエーションが魅力のトルティージャ。スペインの豊かな食文化を象徴する料理として、これからも世界中で愛され続けることでしょう。その歴史、作り方、種類、そして世界における呼び名や食べ方を理解することで、トルティージャへの理解がより一層深まるはずです。

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