トレッセッテ

トレッセッテ（Tressette）とは

トレッセッテ、またはトレゼッテと呼ばれるこのゲームは、イタリアの伝統的なトリックテイキングゲームであり、国内で非常に人気が高いトランプゲームの一つです。スコパやブリスコラと並ぶ国民的な存在であり、特にポイントトリックゲームの一種に分類されます。ポイントを獲得するためのルールやカードの強弱がこのゲームの特徴であり、特にA以外のカードでは3枚ずつ点数を計算し、切り札がないという点が魅力となっています。

歴史

トレッセッテの歴史は意外と長く、最古の記録は18世紀初頭に遡ります。しかし、切り札を用いないことから、実際にはこれよりも古くから存在していた可能性が高いです。このゲーム名は直訳すると「3つの7」を意味しますが、その由来は不明です。一説には、ゲーム中に特定のスコアの組み合わせを示しているとも言われています。現在、イタリア国内では地域ごとにさまざまな変種が存在しています。

ルールとプレイ方法

トレッセッテは、イタリアの40枚のトランプを使用して進行します。イタリアのカードは貨幣、カップ、剣、棍棒の4種のスートがあり、各スートにはA、2から7までの数字カード、さらに歩兵（fante）、騎士（cavallo）、王（re）の3種類の絵札が含まれています。このゲームでは、2と3がAよりも強いという独特なランクシステムがあり、カードの強さは以下の通りです：3 > 2 > A > 王 > 騎士 > 歩兵 > 7 > 6 > 5 > 4。

ゲームの目的は、複数回のプレイを通じて21点以上を獲得することです。21点に達すると、その時点でゲームは終了し、得点を加算した側が勝利となります。各プレイヤーには10枚の手札が配られ、プレイは反時計回りに進行します。最初のトリックはディーラーの右隣から始まり、その際リードされたスートに同じカードを持っているプレイヤーはそれを出さなければならず、なければ自由にカードを出すことができます。最強のカードを出したプレイヤーがトリックを獲得し、それを裏向けにして自分の前に置き、次のトリックをリードすることになります。

得点システム

トリックにおける得点は非常に特異で、絵札や特定の数字カードには1枚当たり1/3点の価値があります。特にAは、1枚1点として計算されます。最終的な得点は各選手のカードの得点の合計の整数部分になるため、実質的にはゲーム中に獲得できる点数は最大で11点となります。この得点は、最後のトリックを取ったプレイヤーに追加の1/3点が与えられる場合が多いです。21点以上に達するまで、プレイは繰り返されます。

戦略とチーム戦

トレッセッテにおける基本的な戦略は、できる限り多くのAを集めることです。Aは他のカードよりも3倍の価値を持つため、これをどう持ち込むかが勝負を分けます。また、4人チーム戦においてはパートナーとのコミュニケーションが禁じられていますが、認められたサインを使って情報を伝達することが可能です。これにより、プレイヤー同士がどのスートに強いかを把握し、効果的にサポートし合うことが求められます。

変種

トレッセッテには多くの変種が存在します。ナポレターナでは手役を宣言することでポイントを得られる仕組みがあり、カッポットやストラマッツォといった特別な得点ルールも存在します。また、チャパノは最も少ない得点を獲得することが目的のゲームであり、様々なルールで遊ぶことができます。さらに、トレシェタはクロアチアでのバリエーションで、最終的な得点目標が異なることなども魅力です。

このように、トレッセッテはその独自のルールや戦略、変種の多様性から非常に魅力的なカードゲームです。特に仲間と共にチームを組んでプレイする際の戦略的な駆け引きは、多くのプレイヤーに愛されています。

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