トレマーズ コールドヘル

『トレマーズ コールドヘル』(原題: Tremors: A Cold Day in Hell)は、2018年にリリースされた大人気モンスターパニック映画『トレマーズ』シリーズの最新作です。前作『トレマーズ ブラッドライン』に続き、ドン・マイケル・ポール監督がメガホンを取り、DVD、Blu-ray、そしてNetflixでの配信という形で世界中のファンに届けられました。

物語の中心人物は、お馴染みのバート・ガンマーです。彼は長年の税金滞納により全財産を失い、途方に暮れていました。そんな彼のもとに、息子トラヴィスが訪れます。そこに、カナダ・ヌナブト準州からシムズ博士からの緊急連絡が入ります。なんと、北極圏でグラボイドが出現したというのです。

バートとトラヴィスは、シムズ博士の待つ研究所へと向かいます。しかし、移動中の飛行機は、グラボイドの進化系ともいえる新たな脅威「アスブラスター」の襲撃を受け、緊急着陸を余儀なくされます。九死に一生を得て研究所にたどり着いた2人は、そこで意外な人物と出会います。それは、かつてバートと共にグラボイドと戦ったバルとロンダの娘、バレリーでした。

研究所での再会も束の間、アスブラスターの襲撃が再び開始されます。混乱の中、バートはフレッチ博士を救出しますが、その際に自身の体に異変を感じ、倒れてしまいます。緊急手術を受けたバートは一命を取り留めますが、過去にグラボイドに襲われた際に寄生虫に感染していたことが判明。命の危険にさらされることになります。

息子のトラヴィスは、バートを救うため、シムズ博士やバレリーらと協力してグラボイドを生け捕りにし、そこから抗体を得ようと奔走します。一方、フレッチ博士は再び研究所からの脱出を試み、グラボイドに命を落とします。さらに、研究所の隣で水の浄化調査を行っていたDARPAの研究チーム、カッツ率いる部隊も、グラボイドの襲撃に遭い、研究所に避難してきます。

トラヴィスは、巧みな罠と大胆な作戦でグラボイドを次々と撃破していきます。しかし、バートは再び発作を起こし、危険な状態に陥ります。残るグラボイドを生け捕りにし、抗体を得るため、トラヴィスたちは最後の戦いに挑むのです。

幾多の困難を乗り越え、トラヴィスはグラボイドの捕獲に成功し、バートは救われます。そして、カッツとの交渉の結果、バートは没収された財産の返還と税金の永久免除という、意外な恩恵を受けることになります。しかし、カッツは捕獲したグラボイドを生物兵器として利用しようと企みます。それを阻止するため、回復したバートは、最後の手段に打って出ます。

本作は、シリーズ伝統のモンスターパニック要素に加え、親子愛や、過去のトラウマとの決着といった人間ドラマも織り交ぜた、奥行きのある物語となっています。また、北極という極寒の環境が舞台となることで、新たな恐怖とサスペンスが加味されています。マイケル・グロス演じるバート、そしてジェイミー＝リー・マニー演じるバレリーの活躍も見どころの一つです。

なお、本作の製作は波乱に満ちたものでした。当初はブルガリアでの撮影が予定されていましたが、大規模な吹雪に見舞われたため、南アフリカ共和国に変更されました。オープニングシーンは砂漠で撮影され、後からデジタル処理で雪景色に加工されているという、興味深いエピソードも残されています。

Rotten Tomatoesでの評価は賛否両論となっていますが、迫力ある映像と、シリーズ伝統のユーモラスな要素は健在です。シリーズファンはもちろん、モンスター映画、サバイバル映画が好きな方にもオススメの一作と言えるでしょう。

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