トレマーズ2

トレマーズ2：地底の恐怖再び

1996年公開の『トレマーズ2』（原題：Tremors 2: Aftershocks）は、1990年の大ヒット作『トレマーズ』の続編として、ビデオマーケットでリリースされました。前作から7年後、舞台はアメリカ合衆国ネバダ州からメキシコの油田へと移り、新たな脅威が待ち受けています。

前作でグラボイズとの死闘を生き延びたアール・バセット（フレッド・ウォード）は、現在は牧場経営に励んでいますが、事業の失敗により多額の借金を負っていました。そんな彼のもとに、メキシコの油田で発生したグラボイズの大量発生に対処する依頼が舞い込みます。高額な報酬に釣られたアールは、渋々ながらも依頼を引き受け、新たな相棒であるタクシードライバーのグラディ・フーパー（クリストファー・ガーティン）と共に、危険な任務に挑むことになります。

アールは、前作で成功を収めた爆弾を使った作戦を再び実行します。しかし、今作では、より凶暴で知能の高いグラボイズが登場します。これまでとは異なるグラボイズの生態に戸惑いながらも、アールとグラディは、戦友であるバート・ガンマー（マイケル・グロス）の協力を得ながら、次々とグラボイズを倒していきます。

物語は、アールとグラディが、奇妙な行動をとるグラボイズを発見する場面から、新たな展開を迎えます。2人はグラボイズを生け捕りにしようとしますが、目を離した隙に、グラボイズは腹部を大きく裂かれた状態で死亡していました。この不可解な出来事は、彼らが想像をはるかに超える危険に直面していることを示唆しています。

本作には、前作からの登場人物に加え、メキシコの油田で働く作業員や石油会社幹部などの新たなキャラクターが登場します。地質学者ケイト・”ホワイト”・ライリー（ヘレン・シェイヴァー）は、グラボイズの生態を分析し、アールたちの作戦に協力します。

『トレマーズ2』の制作過程は、幾多の困難を乗り越えた物語でもあります。当初は、1700万ドルという大規模な予算で、オーストラリアでのロケ撮影、ケヴィン・ベーコンやリーバ・マッキンタイアの続投も予定されていました。しかし、主要キャストの降板や前作の興行成績不振を受け、劇場公開は断念。企画は中止の危機に瀕しますが、キャストやスタッフのギャラ削減の申し出により、400万ドルの予算でビデオ作品として制作されることになります。

予算削減の影響は、脚本や撮影に及んでいます。当初の脚本には、バートが戦車を使用するシーンや、南北戦争時代のマスケット銃でグラボイズと戦うシーンなど、壮大なアクションシーンが盛り込まれていましたが、これらはカットされ、舞台もオーストラリアからメキシコに変更されました。

クリーチャーデザインは、アマルガマティッド・ダイナミクスが担当。地上を活動するシュリーカーの実寸大の人形や、CGIによるシュリーカーが制作されました。赤外線シーンでは、特殊な衣装を着たキャストを8ミリビデオで撮影し、35ミリフィルムにアップコンバートするなど、創意工夫が凝らされています。

完成後、テスト上映で高い評価を得た『トレマーズ2』は、ビデオリリースと同時に、限定的ながらも劇場公開されました。批評家の評価は賛否両論で、Rotten Tomatoesでは支持率50%となっていますが、オリジナルビデオ作品としては高い評価を受けています。

『トレマーズ2』は、低予算ながらも、創造的な演出と特殊効果、そして魅力的なキャラクターによって、モンスターパニック映画としての高いエンターテイメント性を提供しています。前作ファンはもちろんのこと、モンスター映画ファンにもおすすめできる、一作です。

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