トーテュガ (ドック型揚陸艦)

トーテュガ(USS Tortuga, LSD-46)：アメリカ海軍ドック型揚陸艦の活躍

USSトーテュガ(LSD-46)は、アメリカ海軍に所属するホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦の6番艦です。艦名は、1513年にスペインの探検家ポンセ・デ・レオンによって発見されたドライ・トートガス国立公園に由来しており、同名の艦としては2代目となります。

艦の建造と初期の活動

トーテュガは1987年3月23日、ルイジアナ州ニューオーリンズのエイボンデール造船所で建造が開始されました。ハリケーン・ギルバートの脅威を回避するため、1988年9月15日に進水、同年11月19日に就役しました。就役後は、地中海への展開や様々な演習に参加するなど、着実にその存在感を示しました。特に1997年から1998年にかけての地中海展開では、艦長ケネス・M・ローマ中佐の指揮の下、重要な任務を遂行しました。その後も、J・M・バードン中佐、ジェームズ・P・ドリスコル中佐ら歴代の艦長のもとで、任務を継続しました。

2000年には、別の揚陸艦であるUSSラ・ムーア・カウンティの座礁事故を受け、トーテュガは南太平洋での演習UNITAS 2000に参加する任務を急遽命じられ、その対応能力の高さを示しました。また、2001年には大西洋艦隊／NATO平和維持・即応部隊の旗艦に任命され、その重要性を示す出来事となりました。

災害対応と国際協力

2005年、ハリケーン・カトリーナの被災地であるニューオーリンズへの救援活動に参加しました。トーテュガは、ハリケーン後初めてミシシッピ川を遡航した海軍艦艇となり、ニューオーリンズ海軍基地の西岸に停泊、被災地の救援活動拠点となりました。この活動は、トーテュガの災害対応能力の高さを示すだけでなく、その柔軟な運用能力の高さを証明する出来事となりました。

同年、トーテュガは佐世保基地に配備されました。同基地に配備されていたフォート・マクヘンリー(USS Fort McHenry, LSD-43) と乗組員を交換する「スワップ」という独自のシステムを用いた交代を行い、これはアメリカ海軍史上最短記録となる12日間で完了しました。このスワップによって、乗組員とその家族は住居を移動する必要がなくなり、円滑な交代を実現しました。

その後、トーテュガはCARAT(Cooperation Afloat Readiness and Training) 2006演習に参加、シンガポールや東南アジア諸国を訪問しました。これは、アメリカ海軍の国際協調を促進する上で重要な役割を果たしました。2007年には、東京都の災害訓練にも参加し、LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇を用いて帰宅困難者の輸送訓練を行いました。これは日米間の災害対策における協力関係を示す象徴的な出来事となりました。

東日本大震災への対応とその後

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、日本政府の要請を受け、被災地への救援活動に派遣されました。北海道の苫小牧から青森の大湊まで、陸上自衛隊第5旅団の人員や機材を輸送するなど、災害復興に貢献しました。

2013年8月23日、トーテュガの母港はアシュランドと交替してリトル・クリーク海軍揚陸基地に変更されました。長年にわたる活躍を経て、トーテュガはアメリカ海軍の歴史にその名を刻みました。その多様な活動は、アメリカ海軍の能力の高さを示すと同時に、国際協調への貢献、災害への対応能力の高さなど、様々な側面から評価されるべきものです。

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