ドイツ (企業)

ドイツ社の歴史と製品ライン

概要

ドイツ社（Deutz AG）は、ケルン市ポルツ区に本社を持つ内燃機関メーカーで、世界最古の企業の一つとして知られています。その起源は1864年、ニコラウス・オットーによって設立されたN.A. Otto&Cieにさかのぼります。創業当初は自動車用エンジンよりも、定置用エンジンの生産に重きを置いていました。

歴史の流れ

ドイツ社は、1872年にゴットリープ・ダイムラーが技術責任者として入社したことを契機に、移動体の動力源となる小型内燃機関の開発に取り組むことになります。その後、ダイムラーやマイバッハなどの著名な技術者が在籍し、自動車産業の初期における重要な役割を果たしました。1872年には業務を拡大し、1896年には株式会社化され、「ガスモトーレン・ファブリーク・ドイツ社」として知られるようになりました。1921年には社名を変更し、1938年にはクレックナー・フンボルト・ドイツ社となりました。

第二次世界大戦とその後の復興

第二次世界大戦中はドイツ国防軍向けの戦車や装軌車両を生産していましたが、1943年のケルン大空襲により工場はほとんど破壊されました。その後は徐々に復興し、商用車市場にも再び参入します。特に1960年代から1980年代にかけては、マギルス・ドイツというブランド名で知られるトラックとバスが人気を博しましたが、1975年には商用車部門をイタリアのフィアットとの合弁会社に移管し、撤退しました。

現在の製品と技術

ドイツ社は、現在も液冷および空冷のディーゼルエンジンを中心に製品を展開しています。出力範囲は4kWから500kWまであり、オーバーホール周期が20,000から30,000時間と非常に長いため、高い信頼性を誇ります。空冷エンジンは、冷却水の凍結や沸騰リスクが少なく、さまざまな用途に対応できる特性があります。また、油冷エンジンやタンデム構成のエンジンも生産し、コンパクトで効率的な設計が特徴です。

海外展開と買収

ドイツ社は、2007年にドイツ・パワーシステムズを3iに売却した後、小型エンジンの生産に特化しています。さらに、2017年にはボート用統合電気推進システムを専門とするTorqeedo GmbHを買収し、新たな市場にも進出しました。また、ボルボが25%以上の持ち株を保有し、筆頭株主となる事例もありました。

まとめ

ドイツ社は、長い歴史と豊富な経験をもつエンジンメーカーとして、農業から商業、海洋まで幅広い分野でのエンジンサプライヤーとしての地位を確固たるものにしています。

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