ドイツ・サッカー選手権

ドイツ・サッカー選手権：ドイツサッカーの原点

ドイツ・サッカー選手権は、1902年から1963年まで開催されていた、ドイツ国内のクラブチームNo.1を決める大会です。ドイツサッカー連盟（DFB）によって創設され、ドイツ帝国の時代から西ドイツへと、時代の変遷とともに61年間、全51シーズンにわたって開催されました。各地域の強豪クラブが集い、頂点を争うこの大会は、当時のドイツにおいてトップリーグとしての役割を担っていました。

ドイツ・サッカーの黎明期

19世紀後半、イギリスからサッカーが伝わると、ドイツ各地に総合スポーツクラブが誕生し、サッカー部門が設立されました。1887年には、ドイツ初のサッカークラブであるSCゲルマニア・ハンブルク（後のハンブルガーSV）が設立され、1890年代には各地域でリーグ戦が次々と発足。そして1900年、各地域の代表が集まり、ドイツ・フットボール連盟（DFB）が設立されました。

ドイツ選手権の幕開けと激動の時代

1902年、記念すべき第1回ドイツ選手権が開催され、VfBライプツィヒが初代チャンピオンに輝きました。選手権は各地域リーグ代表によるトーナメント方式で行われ、当初は7地域代表から、後に16チームへと拡大されました。このトーナメント方式は、1963年のブンデスリーガ発足まで約60年間続くことになります。

しかし、ドイツ選手権の歴史は、激動の時代とともにありました。第一次世界大戦、ナチス政権の台頭、そして第二次世界大戦。戦争の影響を受けながらも、選手権は中断を挟みつつも継続されました。1938年にはオーストリアがドイツに併合され、オーストリアリーグがドイツ選手権に組み込まれるという出来事も起こりました。SKラピード・ウィーンは、この影響でドイツ以外のクラブとして唯一、ドイツ選手権で優勝を果たしています。

分裂と再出発、そしてブンデスリーガへ

第二次世界大戦後、ドイツは東西に分裂。DFBとドイツ選手権は西ドイツが引き継ぎました。東ドイツではDDRオーバーリーガが発足し、独自のリーグが展開されることになります。1954年には、西ドイツ代表がスイスW杯で初優勝を果たし、国民を熱狂させました。

そして1963年、ドイツサッカー界に大きな転換期が訪れます。DFBが全国リーグの発足と完全プロ化を決定し、ドイツ選手権は1962-63シーズンをもって終了。翌1963-64シーズンからは、ブンデスリーガが新たにスタートを切りました。これにより、ドイツサッカーは新たな時代へと突入することになったのです。

優勝クラブの傾向

ドイツ選手権の優勝クラブには、地域的な傾向が見られます。初期の頃は、サッカー先進地であった北部（ベルリン勢やライプツィヒなど）のクラブが強豪として君臨しましたが、その後は中部・南部のクラブが台頭。特に1.FCニュルンベルクは、1920年代に5度の優勝を飾るなど、黄金時代を築きました。1930年代には再び北部のクラブが力を盛り返し、シャルケ04が6度の優勝を記録しています。戦後の混乱期を経て、ブンデスリーガ発足前は、再び中部・南部のクラブが選手権を制しました。

ドイツ選手権は、ドイツサッカーの歴史において重要な役割を果たしました。その歴史は、ブンデスリーガへと引き継がれ、現在もドイツサッカーの根幹をなしています。

関連項目

ドイツサッカー協会(DFB)
マイスターシャーレ
サッカー・ブンデスリーガ (ドイツ)（後身）
DDRオーバーリーガ（東ドイツのリーグ）
* 世界のサッカー

もう一度検索