ドゥラーク

ドゥラーク：ロシアの伝統的カードゲーム

概要

ドゥラーク（ロシア語: дурак）は、ロシアおよび旧ソ連地域で人気のあるトランプゲームであり、その特徴から「ばか（ドゥラーク）」と呼ばれるゲームでもあります。このゲームは、手持ちのカードをすべてなくすことが目標となっており、最終的に手札を一枚でも残しているプレイヤーが「ばか」となります。

歴史

ドゥラークは19世紀初頭に誕生し、当初は平民の間で親しまれていましたが、時を経るにつれてロシア全体で広まり、現在では最も人気のあるトランプゲームの一つとなっています。このゲームは、スカンジナビアにも影響を与え、地域内で広くプレイされています。

ルール

デッキとプレイヤー

ドゥラークでは36枚のデッキを使用します。このデッキには、A（Т）、K（К）、Q（Д）、J（В）、および数字カードの10から6が含まれます。ゲームは通常2人から6人でプレイされますが、2人から4人が一般的です。また、ランクの順序はAが最も高く、その後K、Q、J、10、9、8、7、6と続きます。切り札のスートは、ゲーム開始時に明示されます。

カードの配り方

カードを配る前に、ディーラーはデッキをよくシャッフルし、各プレイヤーに手札を6枚ずつ配ります。その後、山札の上に1枚のカードを表向きに置き、これはゲームの切り札を明らかにします。この時、もし切り札がAであれば、全員が手札を見せ合うことが求められ、再配布が行われることもあります。また、手札に5枚以上同じスートのカードが存在する場合も、カードが配り直されることがあります。

ゲームの進行

プレイは時計回りに進行し、最初の攻撃者は切り札の最下級カードを持つプレイヤーが選ばれます。攻撃者は攻撃カードを一枚表向きに出し、隣のプレイヤーはそのカードに対して防御カードを出すことで応じます。攻撃カードに対して勝つためには、同じスートか切り札の上位カードを出す必要があります。もし防御に失敗すれば、場に出ている全てのカードを引き取る義務があります。

ターンの終了

ターンの終了時には手札を補充し、手札の枚数が6枚になるようにします。手札が残ったままのプレイヤーが出た場合、そのプレイヤーが「ばか」となり負けとなります。

勝敗の判定

このゲームには明確な勝者が存在しません。勝利条件は、最後の手札を残すこととなるため、最も早く手札をなくしたプレイヤーが相対的に「勝者」とされます。引き分けの時は、ターンの終了時に手札も山札もなくなっていれば、引き分けとなります。

バリエーション

ドゥラークには様々なバリエーションがあり、異なるルールやカードの配り方、チーム戦などを楽しむことができます。例えば、ポドキドノイ（飛び込み）は、重要なバリエーションの一つであり、追加攻撃が可能となるルールがあります。また、多くの戦略や攻防が展開されるため、プレイヤー間の駆け引きが生まれ、よりエキサイティングにプレイすることができます。

結論

ドゥラークは、そのシンプルなルールと戦略的な深みから、多くの人々に楽しまれてきたゲームです。友人や家族と一緒に遊ぶことで、楽しいひとときを過ごせるでしょう。

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