ドクター・ホワイト

『ドクター・ホワイト』シリーズの概要

『ドクター・ホワイト』は、著者の樹林伸による日本の医療ミステリ小説シリーズです。2015年に第一作が刊行され、その後、複数の続編が発表されました。2019年には文庫版が発売され、さらにコミカライズやテレビドラマ化もされるなど、幅広い層から人気を集めています。

シリーズを通して描かれるのは、並外れた医学的知識と洞察力を持つ謎の女性、雪村白夜（ゆきむら びゃくや）の存在です。彼女は、社会常識に欠け、自身の過去に関する記憶もほとんど持っていませんが、患者の症状を正確に診断し、驚くべき治療法を提案します。白夜と、彼女と関わる人々の交流を通して、医療ミステリとしてのスリリングな展開と、ヒューマンドラマとしての温かい感動が織りなされています。

各作品の概要

『ドクター・ホワイト 千里眼のカルテ』

物語は、井の頭公園で倒れていた白夜を、編集者である狩岡将貴（かりおか まさき）が発見する場面から始まります。白夜の驚くべき診断能力が注目を集め、高森総合病院に「診断協議チーム（DCT）」が結成されます。チームは白夜を迎え、様々な難症例に挑んでいきます。一方で、白夜の素性や、彼女が身につけているGPS発信機の謎が、物語に緊張感を与えます。

『ドクター・ホワイト 神の診断』

白夜は医大受験を目指しつつ、診断協議チームに参加し続けています。この作品では、資産家である海江田誠（かいえだ まこと）とその難病を患う娘、朝絵（ともえ）が登場します。白夜自身の過去に深く関わる重要な事実も明かされ、物語は新たな局面へと進んでいきます。

『ドクター・ホワイト 心の臨床』

白夜は港医科大学の学生となり、再び高森総合病院で実習を行います。この作品では、過去の医療事故や、患者の心のケアという新たなテーマが描かれます。白夜は、患者の病気を診断するだけでなく、彼らの心の状態にも寄り添うことの重要性を学び、成長を遂げていきます。

主要登場人物

雪村白夜（ゆきむら びゃくや）: 医学知識に長けた謎の女性。物語の中心人物。
狩岡将貴（かりおか まさき）: 編集者で、白夜の後見人となる。
狩岡晴汝（かりおか はるな）: 将貴の妹で看護大学生。
高森麻里亜（たかもり まりあ）: 高森総合病院の内科医。
高森勇気（たかもり ゆうき）: 麻里亜の兄で、失踪した天才外科医。
高森巌（たかもり いわお）: 総合病院の院長。
海江田誠（かいえだ まこと）: 資産家で、娘の難病に苦しむ。
海江田朝絵（かいえだ ともえ）: 誠の娘で難病を患う。

テレビドラマ版

2022年には、浜辺美波主演でテレビドラマ化されました。原作小説を基に、白夜の診断能力と、彼女を取り巻く人々の物語が、ドラマチックに展開されます。ドラマ版では、原作と異なる設定や展開もあり、新たな魅力も加えられています。

まとめ

『ドクター・ホワイト』シリーズは、謎めいた主人公と、医療ミステリ、ヒューマンドラマが融合した、魅力的な作品です。白夜の驚異的な能力と、彼女の過去に隠された真実、そして登場人物たちの心の葛藤が、読者・視聴者を惹きつけてやみません。小説とドラマ、それぞれの魅力を堪能できる作品です。

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