ドバ油田

ドバ油田

ドバ油田は、チャド共和国の南部に位置する油田であり、エクソンモービル社によって開発されました。その推定埋蔵量は10億バレルに達するとされています。

パイプライン建設と開発

油田開発における輸送手段の確保が課題でしたが、2003年に事態は大きく進展します。油田から隣国カメルーンのクリビ沖合に建設された積み出し基地を結ぶ、全長1,070kmに及ぶパイプラインが完成しました。このパイプラインの輸送能力は1日あたり最大25万バレルに達し、今後10億バレル以上の原油が出荷される計画です。

パイプライン建設にあたっては、世界銀行からチャドに20億ドル、カメルーンに5億ドルの特別融資が行われました。しかし、パイプラインがカメルーンの熱帯雨林地帯を通過することから、先住民族の生活や環境への影響が懸念され、反対運動も発生しました。

チャド経済への影響と課題

ドバ油田からの原油は、チャド経済の重要な柱となり、2011年にはチャドの輸出の86.7％を原油が占めるまでになりました。しかし、チャド政府の深刻な腐敗が、原油収入の有効活用を妨げています。この状況を憂慮し、エクソンモービルからチャド政府に渡される利益を管理する委員会が設立されましたが、その資金が軍事費に流用されるなど、石油収入が国民のために有効に使われているとは言えない状況です。

現状

ドバ油田はチャド経済において重要な役割を果たしていますが、その利益配分や環境への影響など、解決すべき課題も多く残されています。今後の持続可能な開発と、地域住民への恩恵が期待されています。

外部リンク

* 世界銀行による概要

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