ドビン

観光ガイド犬ドビン

ドビン（1993年 - 2010年7月3日）は、かつて広島県尾道市で「観光ガイド犬」として親しまれた犬です。尾道商店街や石畳の古寺巡りコース、千光寺周辺でよく見かけられ、多くの人々に愛されました。

生い立ちと経緯

1993年に生まれたメスの雑種犬（柴犬系）で、元々は「ロビン」という名前でした。しかし、いつしか訛って「ドビン」と呼ばれるようになったそうです。1997年に元の飼い主が福山市へ転居した後、尾道市土堂の衣料品卸会社社長に引き取られました。

ドビンは、忠犬ハチ公のようにJR尾道駅前で元の飼い主の帰りを待つうちに、観光ボランティアの男性に懐き、千光寺山南斜面などの古寺巡り観光コースへ同行するようになりました。いつの頃からか、ドビンは単独で観光客を先導して歩くようになり、その姿がまるで観光ガイドをしているように見えたことから「観光ガイド犬」と呼ばれるようになったのです。

その後、ドビンの存在はメディアで幾度も取り上げられ、全国的に知名度が向上。尾道観光の名物となりました。しかし、物珍しさから不用意に餌を与える人が増え、年々太ってしまったため、首輪には「食べ物は絶対与えないでください」という注意書きが書かれたタグが付けられるようになりました（2007年6月頃までは「ダイエット中」と記載）。

ドビンは日中、駅前商店街を自由に歩き回ったり、千光寺山頂付近へ散歩に出かけたりしていました。商店街の人々から餌をもらったり、ブラッシングなどの世話を受けたりもしていました。ドビンは狂犬病の予防接種を受けるなど、畜犬登録もされていたため、法的には飼い犬として扱われており、一般的に認識されている野良犬ではありませんでした。

2010年6月末に体調を崩し療養していましたが、7月3日5時30分に永眠。18歳という犬としては大往生でした。

特徴

柴犬系の雑種で、毛色は薄いチョコ色
元々は「ロビン」という名前だったが、いつしか「ドビン」と呼ばれるように
尾道を訪れる観光客に大人気で、観光中にドビンを探す人も多かった
普段は古寺めぐりコース、千光寺下の坂道写真館付近、尾道本通り商店街などにいた
晩年は太り気味で、首輪には餌を与えないようにとの注意書きが書かれたタグが付けられていた
基本的に大人しく人懐っこい性格だったが、不用意に触ろうとすると吠えることもあった
晩年は老いのためか、観光ガイドをするよりも商店街の店頭で寝ていることが多かった

2009年夏には、尾道市や尾道観光協会などで構成された制作委員会の呼びかけにより、地元の小学生らが夏休み中にドビンの石像を2体制作しました。

メディア出演

ドビンは数多くのメディアにも出演し、その愛らしい姿と活動が紹介されました。

2003年2月 『めざましテレビ』わんこスペシャル
2004年10月1日 NHK『ふるさと発』案内犬ドビンの尾道日記
2004年12月4日 『朝だ!生です旅サラダ』尾道ガイド犬ドビンとして紹介
2005年6月 テレビアニメ『かみちゅ!』（舞台は尾道がモデル）にて、作中に登場する「犬和尚」のモデルになったとされる
2007年 るるぶ「広島・宮島・尾道・呉・岩国」
2008年2月27日 『生活ほっとモーニング』尾道ガイド犬ドビンとして紹介
その他『ペット大集合!ポチたま』、広島県内のローカルニュースなど

ドビンの死後も、その訃報は新聞やネットニュースで大きく報じられ、多くの人々に惜しまれました。

外部リンク

ガイド犬ドビンの尾道放浪記（ドビンの目線でのブログ 2005年12月2日 - ）
尾道ガイド犬ドビン
ドビン掲示板
きょうのわんこスペシャル石段の街

ドビンは尾道の街を愛し、人々に愛された、まさに尾道の顔とも言える存在でした。その愛らしい姿と献身的な行動は、今も多くの人々の心に深く刻まれています。

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