ドミトリー・トゥルスノフ

ドミトリー・イーガリヴィッチ・トゥルスノフは、1982年12月12日モスクワ生まれの元プロテニス選手です。身長185cm、体重82kg。右利きで、両手打ちのバックハンドを武器に、ATPツアーでシングルス7勝、ダブルス6勝を挙げました。自己最高ランキングはシングルス20位、ダブルス36位。

生い立ちとプロ転向
科学技師の父の影響でテニスを始め、12歳半でアメリカへ移住。2000年にプロへ転向しました。下部ツアーであるATPチャレンジャーツアーで経験を積み、2003年の全米オープンでグランドスラムデビューを果たします。その全米オープンでは、1回戦で元世界ランキング1位のグスタボ・クエルテンを破るという衝撃的なデビューを飾りました。3回戦まで進出し、その才能の片鱗を見せつけました。

2005年からの躍進
2005年、トゥルスノフはツアー大会で目覚ましい活躍を見せ始めます。ウィンブルドン2回戦では、地元イギリスの英雄ティム・ヘンマンをフルセットで破る殊勲を挙げました。その後、デビスカップロシア代表にも選出され、準決勝の対クロアチア戦に出場。

デビスカップ優勝とツアー初優勝
2006年は、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンの全てで3回戦以上に進出。そして9月、キングフィッシャー航空テニス・オープン決勝でトマーシュ・ベルディハを下し、ATPツアーシングルス初優勝を果たします。同年12月には、デビスカップ決勝の対アルゼンチン戦で、マラト・サフィンとのペアでダブルスに出場し、勝利。ロシア代表の4年ぶり2度目の優勝に大きく貢献しました。

オリンピック出場とその後
2008年の北京オリンピック、2012年のロンドンオリンピックと、2度オリンピックに出場しました。2008年全仏オープン男子ダブルスでは、イーゴリ・クニツィンとのペアでベスト4に進出しています。

プレースタイルと人物像
トゥルスノフは、正確なストロークと、試合の流れを読むクレバーなテニスが持ち味でした。特に、両手打ちのバックハンドは彼の代名詞と言えるでしょう。また、コート上でのユーモア溢れる言動や、個性的なファッションセンスでもファンを魅了しました。引退後はコーチとしても活動し、エレーナ・ベスニナやアリーナ・サバレンカといったトップ選手の指導にあたりました。

ATPツアー決勝進出結果
シングルス: 9回 (7勝2敗)
ダブルス: 11回 (6勝5敗)

4大大会シングルス成績
全豪オープン: 3回戦 (2007年)
全仏オープン: 3回戦 (2006年, 2008年, 2009年)
ウィンブルドン: 4回戦 (2006年)
全米オープン: 3回戦 (2003年, 2006年, 2010年)

ドミトリー・トゥルスノフは、その才能と個性的なキャラクターで、多くのテニスファンに愛された選手でした。

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