ドミニカ共和国の世界遺産

ドミニカ共和国の世界遺産は、ユネスコ（国際連合教育科学文化機関）によって登録された、ドミニカ共和国に存在する文化遺産および自然遺産の総称です。

2023年現在、ドミニカ共和国には文化遺産が1件登録されています。自然遺産、複合遺産は登録されていません。

文化遺産

サントドミンゴの植民都市 (Ciudad Colonial de Santo Domingo)

サントドミンゴの植民都市は、1990年にユネスコの世界遺産に登録されました。この都市は、アメリカ大陸におけるヨーロッパ人の最初の植民地都市であり、新大陸の都市計画や建築様式のモデルとなりました。クリストファー・コロンブスがこの地を訪れた後、彼の弟であるバルトロメー・コロンブスによって建設が始まり、その後、スペインの植民地支配の中心地として発展しました。現在も、その歴史的な景観が色濃く残っています。

この地区には、以下のような歴史的建造物や遺構が含まれています。

カテドラル・プリマダ・デ・アメリカ (Catedral Primada de América)：新大陸最古の大聖堂。ゴシック様式とルネサンス様式が融合した壮麗な建築です。
アルカサル・デ・コロン (Alcázar de Colón)：コロンブス一族の邸宅として建てられた、ルネサンス様式の宮殿。現在は博物館として公開されています。
オサマ要塞 (Fortaleza Ozama)：新大陸最古の要塞の一つ。スペインの植民地支配の歴史を物語る建築物です。
ラス・ダマス通り (Calle Las Damas)：新大陸で最も古い通りの一つ。歴史的な建造物が立ち並んでいます。
サンタ・マリア・ラ・メノール教会 (Iglesia de Santa Maria la Menor)：パンテオンとも呼ばれ、多くの歴史的人物たちの墓がある教会です。

サントドミンゴの植民都市は、これらの歴史的な建造物群が良好な状態で保存されており、その歴史的、文化的価値が国際的に高く評価されています。街全体が博物館のような雰囲気を持ち、観光客にとって非常に魅力的な場所となっています。石畳の道、植民地時代の建築物、そして歴史的な広場が、訪れる人々を過去へと誘います。

サントドミンゴの植民都市は、単に美しい観光地であるだけでなく、アメリカ大陸におけるヨーロッパの植民地化の歴史、そしてそれがもたらした文化的変容を理解する上で非常に重要な場所です。そのため、世界遺産としての登録は、その価値を未来へと伝えていく上で非常に意義深いものとなっています。

世界遺産の登録基準

サントドミンゴの植民都市が世界遺産に登録されたのは、以下の基準を満たしているためです。

(ii) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。：サントドミンゴの植民都市は、ヨーロッパの建築と都市計画が新大陸に導入された初期の例であり、その後のアメリカ大陸における都市形成に大きな影響を与えました。この点は、文化交流の重要な証拠として評価されました。
(iv) 人類の歴史上、重要な段階を物語る建築様式、建築物群、技術の集積または景観の顕著な例。：サントドミンゴの植民都市は、新大陸における最初の植民地都市の一つであり、その初期の都市計画や建築様式がそのまま残されています。この点が、歴史的に重要な例として評価されました。

関連項目

世界遺産の一覧

この項目は、ウィキプロジェクト世界遺産に準拠して作成されています。

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