ドミートリー・シチョフ

ドミートリー・エヴゲーニエヴィチ・シチョフは、1983年10月26日、ロシア中南部のオムスクで生まれました。幼少期からサッカーに親しみ、サンクトペテルブルクのスメナ・サッカー・アカデミーで本格的にサッカーを始めました。

プロとしてのキャリアは、当時2部に所属していたFCスパルタク・タンボフでスタートしました。ここで才能を開花させ、国内外のクラブから注目を集めるようになります。FCナントやFCメスでのトライアルを経て、2002年1月にはスパルタク・モスクワへ移籍しました。在籍は1年と短期間でしたが、18試合で9得点という目覚ましい活躍を見せました。

この活躍が認められ、当時18歳という若さで2002 FIFAワールドカップのロシア代表メンバーに選出されました。日本戦では途中出場を果たし、ベルギー戦ではワールドカップ史上4番目の若さでゴールを決め、世界にその名を知らしめました。その後、フランスのオリンピック・マルセイユへ5年契約で移籍しましたが、チームにはミドやディディエ・ドログバといった強力なフォワードがおり、出場機会に恵まれず、自身のポテンシャルを十分に発揮することはできませんでした。

2004年、シチョフはFCロコモティフ・モスクワへ4年契約で移籍し、新たなスタートを切りました。この移籍が転機となり、チームのリーグ優勝に大きく貢献。同年には、ロシア年間最優秀サッカー選手賞を受賞するという快挙を成し遂げました。ロコモティフでは主にストライカーとして活躍しましたが、アナトリー・ブイショヴェツ監督時代には、中盤サイドでの起用も見られました。

シチョフは、10代の頃からマラト・イズマイロフと共にロシア代表にコンスタントに招集され、次世代のエースストライカーとして大きな期待を寄せられていました。しかし、期待ほどの成長を見せることができず、伸び悩み気味であったと評されることもあります。それでも、フース・ヒディンク元ロシア代表監督からの評価は高く、その才能は高く評価されていました。俊敏な動きと高い決定力から、「ロシアのオーウェン」という愛称で呼ばれることもありました。

サッカー以外では、アイスホッケーを好んでおり、故郷のアイスホッケーチーム、アヴァンガールド・オムスクのファンであることを公言しています。また、テニス、ビリヤード、ドライブ、映画鑑賞など、多彩な趣味を持っています。特技はギターを弾くことで、ロシアのロックバンド「スプリン」のファンであることも明かしています。また、英語とフランス語を習得しており、語学にも堪能です。試合の3日前からは髭を剃らないというユニークな習慣も持っています。2005年には、MTV Russia Music Awardsでラップを披露するという意外な一面も見せています。また、2007年には、ロシアの体育大学で学位を取得しており、学業にも励んでいたことがわかります。

獲得タイトル

クラブ
FCロコモティフ・モスクワ
ロシアサッカー・プレミアリーグ: 1回 (2004)
ロシア・スーパーカップ：1回 (2005)
ロシア・カップ: 1回 (2007)
CISカップ：1回 (2005)

個人タイトル
ロシア年間最優秀サッカー選手賞: 1回 (2004)


外部リンク
ロコモティフ・モスクワ公式プロフィール
ロシア代表公式プロフィール
ドミートリー・シチョフ公式サイト
ドミートリー・シチョフ公式ブログ

もう一度検索