ドモジェドヴォ空港爆破事件

ドモジェドヴォ空港爆破事件

2011年1月24日、ロシア連邦モスクワ州に位置するドモジェドヴォ空港で著名な自爆テロ事件が発生しました。この事件では、国際線ターミナルにおいて、爆発物を身につけた男が自らの命を犠牲にし、結果として37人が亡くなり、173人が負傷しました。

事件の詳細

爆破が実行されたのは、モスクワ時間の午後4時32分。自爆テロが発生した際、男は約5kgのTNT換算の爆発物を持っており、ターミナルビル内は黒煙に包まれました。この事件による死者にはロシア国民の他、タジキスタン、ナイジェリア、ドイツ、スロバキア、モルドバ、フランス、イタリア国籍の方々が含まれていました。

事件後の1月29日、ロシアの捜査当局は、北カフカス地方出身の20歳の男が実行犯であると認定しましたが、当時の首相ウラジーミル・プーチンはチェチェンの武装派が関与しているかどうかには慎重な姿勢を示しました。その後、チェチェン分離独立派であるカフカース首長国のアミール・ドク・ウマロフが、自らの組織の犯行声明をイスラム系ウェブサイトに発表し、さらなるテロ行為を示唆しました。

国際社会の反応

この事件は国際的な反響を引き起こし、ロシアのドミートリー・メドヴェージェフ大統領は被害者に哀悼の意を表し、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムへの参加を遅延させました。アメリカのバラク・オバマ大統領は、ロシア市民に対する非道なテロを非難し、日本の菅直人首相や韓国の李明博大統領、中国の胡錦濤国家主席も追悼の意を示しました。特に韓国や日本の指導者は、いかなる理由があってもテロ行為は許されないと強調しました。

事件の影響

ドモジェドヴォ空港は、自爆テロが発生したことにより、セキュリティ体制の見直しが求められる事態となりました。到着ロビーでは荷物検査が行われておらず、金属探知機を通らない出入り口の存在が指摘され、今後は公共交通機関や公共の場における安全対策を強化する必要があるとされました。事件の次の日にはモスクワ市長と州知事が服喪の日を定め、1月27日には犠牲者への追悼式が開催されました。

犠牲者について

事故で命を落としたのは、ロシア人を含む7か国の外国人を含む計35名です。この中にはウクライナの脚本家、アンナ・ヤブロンスカヤさんが名を連ねています。モスクワ市は、亡くなった者に対して埋葬費用を負担し、遺族への支援金を支給しました。

この事件は、ロシア国内におけるテロ対策の重要性を再認識させ、国際的な反テロ活動の強化へとつながる契機となりました。

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