ドヤドヤサー

ドヤドヤサーとは

ドヤドヤサーは、鹿児島県肝付町の旧内之浦町市街地で、毎年1月7日の午後2時に行われる伝統的な祭りです。この祭りは、鹿児島県各地で見られる鬼火焚きの一種であり、1993年には内之浦町の無形民俗文化財に指定されました。ドヤドヤサーは、地域住民にとって新年の厄払いと無病息災を祈る、重要な行事となっています。

ドヤドヤサーの儀式

祭りの中心となるのは、約15メートルの孟宗竹13本を主柱とした巨大な構造物です。この主柱から、干支にちなんだ12本の縄が放射状に張られ、参加者は自分の誕生月を表す縄を握ります。孟宗竹の先端には、日の丸の扇や五色の布、折り紙などが飾られ、華やかな雰囲気を醸し出します。また、竹柱の周りには、参加者が持ち寄った正月飾りやお札などが積み重ねられます。

祭りのクライマックスは、午後2時に行われる火焚きです。お祓いを済ませた後、積み重ねられた飾りやお札に火がつけられ、勢いよく燃え上がります。この炎は、参加者たちの厄を払い、新年の無病息災を祈る象徴となります。竹柱が燃え倒れた後、残った笹や飾りは魔除けとして持ち帰られ、孟宗竹は輪切りにして貯金箱として利用されるなど、祭りの後も人々の生活に密接に関わります。

ドヤドヤサーの歴史

ドヤドヤサーの歴史は古く、江戸時代から戦前（1941年ごろ）まで、浦町（漁業が盛んな地域）の上町・下町・上向の3集落で、正月行事として行われていました。しかし、戦後に一度途絶えてしまいます。その後、1976年に仲町振興会の長友繁男氏が中心となり、35年ぶりにドヤドヤサーは復活しました。この復活劇は、地域住民の熱意と協力の賜物といえるでしょう。現在では、内之浦町振興会（2003年時点）が主催となり、この伝統的な祭りを守り続けています。ドヤドヤサーは、単なる祭りとしてだけでなく、地域社会の絆を深め、文化を継承する上で重要な役割を果たしています。

参考文献

内之浦町誌編纂委員会・編『内之浦町誌』内之浦町長 高橋鐵男、2003年 pp.1494-1495
肝付町教育委員会『肝付町の文化財』2007年 p.17

関連項目

左義長

外部リンク

ドヤドヤサー（鬼火たき） - 肝付町公式ウェブサイト

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