ドラえもん2 のび太と光の神殿

『ドラえもん2 のび太と光の神殿』：NINTENDO64で展開する、異世界冒険活劇

1998年12月11日、エポック社よりNINTENDO64用ソフトとして発売された『ドラえもん2 のび太と光の神殿』。開発は有限会社ブレインスミスが担当し、アクションアドベンチャーというジャンルに分類される本作は、『ドラえもん』シリーズを題材としたNINTENDO64作品としては2作目にあたります。

時空を超えた冒険の始まり

物語は、のび太、ドラえもん、しずか、ジャイアン、スネ夫の5人組がタイムマシンで太古の世界を訪れたことから始まります。帰還の途上、のび太が持ち帰った宝石を自慢した瞬間、閃光と共に彼らは見慣れない異世界「クリステカ」へと放り出されてしまいます。離れ離れになった5人は、仲間を見つけ、元の時代へ戻るため、クリステカでの冒険を余儀なくされるのです。

アドベンチャー要素が光るゲーム性

前作同様、3Dアクションがゲームの中核を成していますが、本作は純粋なアクションゲームではありません。村人との会話やイベントを通して情報を集め、遺跡（アクションステージ）へと挑むというアドベンチャー要素が大きく取り入れられています。

特にユニークなのが、時間と曜日のシステムです。クリステカでは常に時間が流れ、時間帯によって村人の行動やセリフが変化します。18時からは夜となり気温が下がり、体力は徐々に減少。宿屋や「キャンピングカプセル」で休息を取らなければなりません。また、クリステカには「光」「炎」「水」「木」「風」「岩」「闇」の7つの曜日があり、「――曜日」ではなく「――の日」と呼ばれています。特定の曜日でないと進めない場所も存在し、曜日によって気候も変化します。

キャラクターの機嫌とゲーム進行

5人のキャラクターにはそれぞれ「勇ましい」「ごきげん」「ふつう」「ゆううつ」「泣きたい」の5段階の機嫌が設定されています。機嫌は、ストーリーの進行、ひみつ道具の使用、遺跡での戦闘結果などによって変化します。機嫌が良いと遺跡での攻撃力が上昇し、逆に機嫌が悪いとダメージを受けやすくなります。

クリステカ：多様な民族と環境が織りなす世界

クリステカは、アバーク族、ブラーニ族、ボガーナ族という3つの異なる民族が暮らす世界です。現代文明とはかけ離れた環境下で、電気や水道はなく、夜は寒さが厳しくなります。しかし、各民族は独自の文化を築き、それぞれの村落で生活しています。

ゲーム内には、水晶の森、シルバーン平原、アバークの村、エメラルドの湖、ヘリオンの遺跡、ブルーサファイアの滝、ブラーニの村、ルビーキャニオン、ディオニーズの遺跡、琥珀の洞窟、ボガーナの村、リリルの岩山、ヘパイースの遺跡、そして最終目的地の光の神殿など、多様なフィールドが登場します。それぞれの場所に特徴的な仕掛けや敵が待ち受けており、プレイヤーの冒険心を掻き立てます。

様々なひみつ道具とアイテム

ドラえもんの四次元ポケットからクリステカに散らばったひみつ道具は、ゲームを進める中で拾い集めることができます。イベント進行、戦闘、探索など、様々な場面で使用される道具は大きく4種類に分類され、全67個存在します（ただし、図鑑の最後の5つは空きスペースです）。

また、ひみつ道具以外にも、光のクリスタル、宝石類、果物、エレットの花、地図、薬瓶など、様々なアイテムが登場します。これらはストーリー進行や戦闘に役立ち、冒険をサポートします。

個性的なキャラクターたち

ドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫に加え、湯煙源五郎、凪沢カオル、ミナ、ピュンなど、個性的なオリジナルキャラクターが登場します。それぞれのキャラクターが物語に彩りを添え、冒険をより豊かなものにします。光の神殿の守護者ギュルミーとその眷属キャララも重要な役割を担っています。

漫画版も存在

別冊コロコロコミックにて、三谷幸広氏による漫画版が前後編で掲載されました。ゲーム本編のストーリーをベースに、アクションシーンを簡略化しつつ、エンディングまでを網羅しています。

『ドラえもん2 のび太と光の神殿』は、魅力的な世界観、独自のゲームシステム、そして個性的なキャラクターたちが織りなす、忘れられない冒険体験を提供するNINTENDO64の名作です。

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