ドラゴンの後継者

ドラゴンの後継者

『ドラゴンの後継者』（The Heir of the Dragon）は、HBOのファンタジー・テレビドラマシリーズ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のシーズン1第1話であり、物語の導入となる重要なエピソードです。脚本はライアン・コンダルが担当し、ミゲル・サポチニクが監督を務めました。日本ではU-NEXTで配信されました。

あらすじ

物語は『ゲーム・オブ・スローンズ』の出来事から約200年前を舞台に展開します。ターガリエン王朝の4代目国王ジェヘアリーズ1世が、二人の息子を相次いで亡くしたことから、後継者問題が浮上します。老王は、後継者を選ぶため、七王国の貴族たちを〈ハレンの巨城〉に集め、大評議会を開催しました。

有力な後継者候補として名前が挙がったのは、長男の娘であるレイニス・ターガリエン王女と、男子の孫の中で最年長であるヴィセーリス・ターガリエンでした。評議の結果、男子優先の原則に基づき、ヴィセーリスが後継者に選ばれます。この決定に不満を持つ者も多く、特にレイニスの母を輩出したバラシオン家をはじめとする諸侯は、彼女を「戴冠せざりし女王」と呼び、支持を続けます。

ヴィセーリス王が即位してから9年後、王妃エイマはレイニラ王女を出産しますが、他の子供たちは幼くして亡くなっていました。再び妊娠したエイマに男子が生まれることを期待するヴィセーリスは、その祝福のため馬上槍試合を開催します。しかし、王や小評議会を悩ませていたのは、エッソスの自由都市による三頭市が〈踏み石諸島〉を占拠し、海上貿易を阻害していること、そして自由奔放で敵の多い王弟デイモン王子の存在でした。

デイモンは2000人の〈王都の守人〉の総帥となり、罪人たちを裁判なしに厳しく処罰します。宰相である〈王の手〉オットー・ハイタワーは、デイモンを解任すべきだと主張しますが、ヴィセーリスは弟をかばいます。

レイニラは、親友でオットーの娘であるアリセントと共に槍試合を観戦します。騎士サー・クリストン・コールは多くの相手を破り、ついにはデイモンをも打ち負かします。クリストンはレイニラの「ひいき」の飾りを望み、それを受け取ります。

出産が近づいたエイマはレイニラを呼び、女性の務めは子供を産むことだと語ります。しかし、槍試合の最中にエイマは陣痛に見舞われ、難産となります。グランド・メイスター・メロスは、王妃を救うか胎児を救うかの選択をヴィセーリスに迫ります。ヴィセーリスは胎児の切開を命じますが、結果として王妃と胎児の両方が命を落とします。ターガリエン家の慣習に従い、二人はレイニスのドラゴン、シアラックスの炎で火葬にされます。

オットーは、政敵であるデイモンが王位を継ぐことを恐れ、レイニラを後継者とするようヴィセーリスに進言しますが、聞き入れられません。その夜、デイモンは金マントたちを連れて娼館で祝宴を開き、亡くなった胎児を「一日だけの世継ぎ」と嘲笑します。この報告を聞いたヴィセーリスは激怒し、デイモンを〈鉄の玉座〉の間に呼びつけ叱責します。

デイモンはオットーのような野心家から兄を守ってきただけだと弁解し、自分を〈王の手〉にしなかったことを批判します。怒りが収まらないヴィセーリスは、レイニラを後継者にすると宣言します。ヴィセーリスはレイニラに、王と世継ぎにだけ伝えられる秘密を打ち明けます。初代エイゴン征服王は、ウェスタロス征服の真の目的は、北から訪れる「大いなる冬」に対抗するため七王国を統一することにあったという予知夢「氷と炎の歌」を語ります。ヴィセーリス王は、有力諸侯を集め、レイニラへの忠誠を誓わせます。デイモンは、ドラゴン”カラクセス”に乗りキングズランディングを飛び立ちます。

評判

このエピソードは、放送とHBO Maxでの同時視聴者数が998万6千人に達しました。ニールセンの発表によると、放送視聴者数は217万人でした。

参照

U-NEXT 『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』ページ
HBO公式ページ
* ドラゴンの後継者 - インターネット・ムービー・データベース （英語）

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