ドラゴンクエストモンスターズ+

ドラゴンクエストモンスターズ+：新たなモンスターマスターの冒険

吉崎観音による漫画『ドラゴンクエストモンスターズ+』（ドラゴンクエストモンスターズ・プラス）は、2000年から2003年にかけて『月刊少年ガンガン』で連載された人気作品です。単行本全5巻で、累計100万部を突破するなど、多くのファンを魅了しました。2012年には全巻カラーピンナップ付きの新装版が発売され、『月刊ガンガンJOKER』にも新作読み切りが掲載されるなど、現在も高い人気を誇っています。

ゲーム『テリーのワンダーランド』の後日談

本作は、人気ゲーム『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』の後日談を描いています。物語の舞台は、『ドラゴンクエスト』シリーズのロト三部作（『I』、『II』、『III』）の世界をベースにした、どこか懐かしい、そして新たな世界です。ロト三部作だけでなく、『IV』や『V』を思わせるキャラクターも登場し、シリーズファンにとって見どころ満載の内容となっています。

特に、『II』と『III』の世界は、ゲームで描かれた大団円後の世界という設定で、勇者一行がその後どのような日々を送っているのか、という「if世界」が展開されます。『I』の主人公は冒険の真っ只中ですが、他の作品については、ゲームとは異なる展開が楽しめます。

ゲームシステムと世界観の融合

「第1作の一人パーティ」や「勇者一行はモンスターに全滅させられても所持金半額で復活する」といった、ゲームシステムそのものが物語の題材として取り上げられている点が特徴的です。また、ゲームのパッケージイラストを再現したシーンなども登場し、ゲームをプレイしたことがある人なら思わずニヤリとするような演出も随所に散りばめられています。

ストーリー：行方不明のテリーを追って

物語は、『テリーのワンダーランド』の後に始まります。精霊のわたぼうによって異世界から召喚された少年クリオは、テリーが行方不明になり、モンスターがいなくなってしまったタイジュの国で、新たなモンスターマスターとして活躍することになります。そして、彼はテリーの行方を追って冒険の旅に出るのです。

個性豊かなキャラクターたち

本作には、魅力的なキャラクターたちが多数登場します。主人公クリオは、当初はモンスターマスターのことを甘く見ていましたが、様々な経験を通して成長し、一流のモンスターマスターへと成長していきます。

クリオと共に旅をする仲間モンスターたちも、個性豊かです。スラお、Jr、ライム、ドラム、ブーキー、エルゼ、ゴラム、ディノなど、それぞれに個性と物語があり、クリオの冒険を彩ります。

さらに、シリーズおなじみのキャラクターたちも登場します。ロト三部作の勇者や、ロンダルキア王子ロラン、サマルトリア王子サトリ、ムーンブルク王女ルーナなど、お馴染みの面々が、新たな物語の中で活躍します。

また、本作オリジナルのキャラクターたちも魅力的です。モンスターマスターのディノ、スカラベ、マルモ、ヴィルト、モンじい、そしてテリー自身も、それぞれの思惑とドラマを抱え、物語を盛り上げます。

オリジナル要素とシリーズへのオマージュ

本作では、オリジナルのモンスターや魔法、技なども登場します。「イオナズン・改」「メラゾーマ・ベス」「真・ドラゴラム」「エボルシャス」といった、シリーズファンを唸らせるオリジナル技は、ゲームをプレイしたプレイヤーなら、懐かしさと興奮を覚えることでしょう。

また、「邪配合」や「邪の波動」といった、本作独自の要素も物語を盛り上げます。これは、魔神デスタムーア（最終形態）が生み出した「邪の宝玉」によって生み出される、通常の配合とは異なる、邪悪な力の源です。

さらに、ゲームシリーズの魔法や技についても、時代や世界によって特性や威力が異なるという設定がなされており、細部にまでこだわった世界観が構築されています。

『ドラゴンクエスト』の世界観を深く掘り下げた物語

『ドラゴンクエストモンスターズ+』は、単なるゲームの後日談にとどまらず、『ドラゴンクエスト』シリーズの世界観を深く掘り下げ、新たな解釈を加えた、見応えのある作品です。ゲームをプレイしたことがある人も、そうでない人も、その魅力的な世界観と個性豊かなキャラクターたちに、きっと心を奪われることでしょう。

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