ドラドラ子猫とチャカチャカ娘

『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』（原題：Josie and the Pussycats）は、1970年代初頭にアメリカで放送された人気テレビアニメシリーズです。ハンナ・バーベラ・プロダクションが制作し、アーチー・コミックの同名コミックスを原作としています。全16話構成で、1970年9月12日から1971年1月2日まで、CBSで放送されました。

日本では1971年にNET（現：テレビ朝日）で日本語吹き替え版が初放送され、その後、ローカル局やカートゥーンネットワークでも再放送されました。独特の演出として、初回放送時の日本語版では、声優クレジットが斜めに表示されていたことが話題となりました。この演出は、後続番組『ドボチョン一家の幽霊旅行』でも採用されています。

本作の主人公は、人気上昇中のガールズバンド「子猫チャカチャカーズ」です。彼女たちは、個性豊かなメンバーと、頼りないボディーガード、トラブルメーカーなマネージャーと共に、様々な事件や騒動に巻き込まれながらも、持ち前の明るさと音楽の力で解決していきます。そのため、劇中にはバンドメンバーの歌唱シーンが多く盛り込まれています。

バンドメンバーは、ギター担当のチャコ（ジョシー・マッコイ）、ドラム担当のミミイ（メロディ・バレンタイン）、タンバリン担当のメロディ（ヴァレリー・ブラウン）の3人。頼りないボディーガードは、サングラスをかけたチョロ（アレクサンダー・カボット III）と、比較的まともなキザトン（アラン・M・メイベリー）の2人。そして、気が強くトラブルメーカーなマネージャー、サンデー（アレクサンドラ・カボット）が彼らの活動を支え、時に混乱を招きます。サンデーは、チョロと血縁関係にあります。さらに、サンデーのペットである猫、ドラ（セバスチャン）も物語を彩るキャラクターとして登場します。

登場人物はそれぞれ個性豊かで魅力的です。チャコは特にこれといった特徴はないものの、物語の中心人物です。ミミイは天真爛漫で、危険を察知すると耳がぴくぴく動くという特殊能力を持っています。メロディは3人の中で最も常識人です。チョロは臆病で頼りないボディーガードですが、コミカルなキャラクターとして活躍します。キザトンはチョロとは対照的に、比較的冷静で良識のある人物です。サンデーは、彼女自身の行動が様々な問題を引き起こす原因となることもありますが、物語にスパイスを加えています。

アニメの成功を受け、1970年には「Josie and the Pussycats」という名前の実際の音楽グループがデビューし、翌1971年まで活動しました。また、本作の続編として『ピッピーの宇宙大冒険』（Josie and the Pussycats in Outer Space）が1972年に制作され、全16話が放送されました。この続編では、宇宙を舞台にした新たな冒険が描かれています。さらに、2001年にはユニバーサル映画とMGMの合作により、『プッシーキャッツ』というタイトルで実写映画化もされました。

日本語版主題歌は、第1作のオープニングテーマ「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘」（作詞：水野礼子、作曲・編曲：橋場清、歌：小原乃梨子）、エンディングテーマ「地球のマーチ」（作詞：島村葉二、作曲・編曲：橋場清、歌：ウィルビーズ）がテイチクレコードから発売されました。続編『ピッピーの宇宙大冒険』では、日本語版主題歌は制作されず、英語版主題歌が使用されました。カートゥーンネットワークでの再放送時には、オープニングとエンディングの曲が、雪村いづみ歌唱による新たな日本語版に差し替えられました。

『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』は、コミカルなストーリー展開、個性豊かなキャラクター、そしてキャッチーな音楽と、多くの魅力を兼ね備えた作品です。その人気は、アニメ放送後も実写映画化や音楽グループの結成など、様々な形で受け継がれています。

もう一度検索