ドラフト会議 (KBO)

韓国プロ野球ドラフト会議：新人選手の獲得と制度変遷

韓国プロ野球におけるドラフト会議（KBO Draft）は、韓国野球委員会（KBO）が主催する、各球団が将来を担う新人選手を獲得するための重要な会議です。本稿では、このドラフト会議の歴史と制度、特に指名方式の変遷について詳細に解説します。

ドラフト制度の変遷：地域制限から完全ウェーバー制へ

韓国プロ野球のドラフト制度は、創設以来、幾度となく変更を重ねてきました。初期の制度は、球団の本拠地地域にゆかりのある選手を優先的に指名する「縁故地ドラフト」を特徴としていました。1983年の最初のドラフトでは、指名制限はほとんどなく、特にソウルへの移転を予定していたOBベアーズは、ソウルや大田地域の選手を自由に指名することができました。

しかし、球団の地域移動や新規参入などにより、この制度は徐々に修正されていきます。1985年にはOBベアーズのソウル移転に伴い、ピングレ・イーグルスが忠清道地域の指名権を獲得。1986年には1次指名選手数が10人に制限され、1987年にはさらに3人に、1990年には2人に、そして1991年には1人にまで減少しました。この間、1996年には高卒優先指名制度が導入され、球団の本拠地地域内の高校卒業予定選手を優先的に指名できるようになりましたが、1999年には廃止されています。

さらに、1990年にはサンバンウル・レイダース創立に伴い、新球団に優先指名権が与えられる特例も設けられました。1997年には2次指名における最下位チームの優遇措置などもありました。2001年にはドラフト時期がシーズン中の6月に変更され、2003年には2次指名の最大可能選手数が削減されました。

2010年には、大きな転換期を迎えました。長年続いてきた縁故地ドラフトが廃止され、完全ウェーバー方式が導入されたのです。これは、各球団が順位に関係なく、希望する選手を自由に指名できる制度です。同時に、指名可能選手数も10人に増加し、ドラフト会議の生中継も開始されました。

その後、2014年には5年ぶりに縁故地ドラフトの1次指名が復活しましたが、2023年には再び完全ウェーバー方式が導入され、現在に至っています。2012年と2014年には、新規参入球団であるNCダイノスとKTウィズに、特例として多くの指名枠が与えられました。

2023年以降のドラフト制度

2023年以降のドラフト制度は、完全ウェーバー方式が採用されています。各球団は最大11名までの選手を指名でき、指名順は前年度リーグ最終順位の逆順となります。つまり、最下位チームが最初に指名し、優勝チームが最後に指名します。この制度は、球団間の競争を促進し、より多くの有望な選手を獲得するための機会を平等に提供することを目指しています。

まとめ

韓国プロ野球のドラフト会議は、制度の変遷を繰り返し、常に改善が試みられてきました。初期の地域重視から、完全なウェーバー方式への移行は、公平性と競争性の向上を目指した大きな変化と言えます。今後のドラフト制度の動向にも注目が集まります。

もう一度検索