ドンパッパ

ドンパッパは、二人で遊ばれるじゃんけんから派生したゲームの一種です。特に日本の西日本地域で広く親しまれており、地域によっては「ドンセッセ」（主に四国）、「ドンチッチ」、「ドンパ」、「グリンピースじゃん」、「グリンピース」といった様々な名称で呼ばれています。全国的には、特に東日本を中心に「グリンピース」という名称で遊ばれることが多いようです。軍艦じゃんけんとも類似点がありますが、ルールには違いがあります。

基本的なルール

この遊びでは、じゃんけんと同じくグー、チョキ、パーの「手」を使いますが、それぞれ特別な呼び方があります。グーは「グリン」、チョキは「チリン」または「チョリン」、パーは「パリン」と呼びます。

ゲームの開始

まず、どちらが先攻になるかを決めるための最初のじゃんけんを行います。

「ドンパッパ」の場合、「ドンパッパ」というかけ声とともに始めます。「ドン」で対戦相手と右手同士を軽く打ち合わせ、「パッパ」で「グリン」「チリン」「パリン」のいずれかの「手」を2回連続で出し合います。2回目に出した手でじゃんけんの勝敗がつくまで、この動作を繰り返します。

一方、「グリンピース」として遊ばれる地域では、「グリン」というかけ声の後、「ピース」で1回手を出し合います。こちらも勝敗が決まるまで繰り返します。

地域によっては、最初の「ドン」で右手同士を打ち合わせる動作を行わない場合もあります。

最初のじゃんけんで勝った方がその後のゲームの先攻となり、負けた方が後攻となります。

3回の出し合い

先攻プレイヤーは、「現在出す自分の手」を2回、続けて「次に相手が出すであろう自分の手」を1回、合計3回のかけ声とともに手を出し続けます。かけ声は具体的には「[自分の手]、[自分の手]、[次の自分の手]」というリズムになります。例えば、「グリン、グリン、パリン」のように発声します。

後攻プレイヤーも、先攻プレイヤーのリズムに合わせて、同様に3回「手」を出します。この際、後攻プレイヤーは、先攻プレイヤーが出すであろう「次の自分の手」を予測して、自分の「手」を出す必要があります。

かけ声における「次の自分の手」の部分は、地域によっては「ランダム」など別の言葉が入る場合もあります。また、3回とも同じ手を出し続けることも可能です。

先攻プレイヤーが「次の自分の手」として出した手と、後攻プレイヤーが実際に出した手が「あいこ」にならなかった場合、今度は後攻だった側が先攻となって、この「3回の出し合い」を繰り返します。

勝敗の決定

ゲームは、「3回の出し合い」の最後、つまり先攻プレイヤーのかけ声の3回目である「次の自分の手」のタイミングで、お互いが出した手が「あいこ」になったときに勝敗が決まります。

「あいこ」になった瞬間、先に「ドン！」と声を出したプレイヤーの勝ちとなります。

ローカルルールとバリエーション

ドンパッパには、地域によって様々なローカルルールが存在します。例えば、関西地方では、まだ「あいこ」になっていないにもかかわらず誤って「ドン！」と言ってしまった場合、そのプレイヤーが負けとなるというルールがあります。また、四国地方などでは、かけ声で宣言した「手」と実際に出した「手」が異なってしまった場合に負けとなるというルールも見られます。こうした言い間違いや出し間違いがあった場合の対応は、地域によってやり直しになったり、相手の番に交代したりと様々です。

また、ゲーム名や使用するかけ声が大きく異なるバリエーションや派生ゲームも存在します。

カレーライス: 開始のかけ声は「カレーライス」。「ライス」で手を出し合います。手の呼び方はグーが「グー辛」、チョキが「チョー辛（チー辛、中辛）」、パーが「パー辛」。あいこ時の宣言は「水」となります。
お菓子: 開始のかけ声は「お菓子」、「3時のおやつ」、「お菓子屋さん」など。「手」の呼び方はグーが「グミ」、チョキが「チョコ」、パーが「パフェ」。あいこ時の宣言は「虫歯」、「あまい」、「ごちそうさま」、「おいしい」、「おかわり」、「ジュース」など、複数のバリエーションがあります。

これらのバリエーションは、元のドンパッパとは別のゲームとみなされる場合もあります。

ドンパッパ