ドームシュタットルの戦い

ドームシュタットルの戦い (1758年)

ドームシュタットルの戦いは、七年戦争中の1758年 6月30日に、現在のドマショフ・ナト・ビストリツェ近郊で発生しました。この戦いは、オーストリア軍がプロイセン軍の大規模な補給部隊を襲撃し、その護衛を打ち破り、補給部隊を壊滅させ、大量の物資を奪取することに成功したことで知られています。この勝利は、プロイセン国王フリードリヒ2世が戦略的に重要な都市オルミュッツの攻囲を断念する決定的な要因となりました。

背景

1758年当時、フリードリヒ2世はモラヴィアの要衝オルミュッツを包囲していました。オルミュッツ攻略は、プロイセン軍にとってプラハとウィーンへの進軍を可能にする重要な一歩でした。しかし、プロイセン軍は本国からの補給に大きく依存しており、その補給線はオーストリア軍にとって格好の標的でした。

オーストリア軍のダウン元帥は、プロイセン軍の補給の脆弱性を認識し、シュレージエンからの補給を遮断する作戦を立案しました。トロッパウには数千台規模のプロイセン軍の輸送部隊が集結しており、一部の情報源によるとその数は4,000台に達するとも言われています。ラウドン少将は、この輸送部隊を待ち伏せ攻撃するよう命じられました。同様の命令は、7,000人の兵力を有するズィスコヴィッツ少将の軍団にも下されました。ダウン元帥は、これらの作戦によってフリードリヒ2世の注意を引きつけ、オーストリア軍が会戦の機会を窺っていると誤認させようとしました。この欺瞞作戦は成功し、フリードリヒ2世は輸送部隊の護衛に十分な兵力を割くことをためらいました。プロイセン軍もラウドンの動きを察知しており、ツィーテン中将率いる5,000人の部隊がトロッパウに派遣されました。

戦闘の経過

輸送部隊は6月26日にトロッパウを出発し、デア・モーゼル大佐率いる強力な護衛部隊が同行しました。しかし、翌日、部隊は再編成のために停止を余儀なくされました。この日、ラウドン少将はシュテルンベルクに到着し、輸送部隊とフリードリヒ2世との連絡を遮断する位置に部隊を配置することに成功しました。ラウドンは、フリードリヒ2世がオルミュッツから援軍を派遣すると予測し、6月28日にグンダースドルフに進軍して高地を占拠しました。輸送部隊が接近すると、ラウドンは兵力で劣勢にも関わらず攻撃を決意しました。プロイセン軍は防戦に徹し、大砲を使用するためにいくつかの丘を占領しました。激しい戦闘は約5時間に及び、オーストリア軍の騎兵は100台の荷車を破壊しました。しかし、ツィーテン中将からの側面攻撃を警戒したラウドンは、撤退を余儀なくされました。

この最初の襲撃は、特に輸送部隊の御者たちの間に大きな混乱を引き起こしました。ツィーテン中将は部隊と合流したものの、秩序回復に丸一日を費やしました。この遅延により、ズィスコヴィッツ少将はアルトリーベとドームシュタットルの間に到達し、ラウドン少将と今後の戦略を協議することができました。6月30日、護送部隊は再び移動を開始しましたが、その隊列は一時的に40キロメートルにも及ぶほど長く伸びていました。騎兵隊は右側から、歩兵隊は左側から護衛していました。

茂みに隠れていたオーストリア軍は、先頭部隊と約100台の荷車をやり過ごした後、ズィスコヴィッツ少将が左側から荷車を攻撃しました。砲弾が先頭の荷車の馬を殺傷したため、輸送部隊全体が停止しました。ツィーテン中将は荷車で円陣を組み、歩兵3個大隊と大砲6門を配置して防御を固めました。一部の兵士を率いてオーストリア軍に反撃し、いくつかの部隊を撃退しましたが、オーストリアの騎兵によって再び荷車の防御陣地に押し戻されました。その頃、ラウドン少将も右側から攻撃を開始しました。彼は弾薬を積んだ荷車を爆破し、輸送部隊全体を大混乱に陥れました。その結果、輸送部隊は二つの集団に分断されました。プロイセン軍の一部は荷車を守ろうとしましたが、ツィーテン中将と大部分の部隊は孤立し、援護に駆けつけることができませんでした。ツィーテンは部隊を率いてトロッパウへの撤退を余儀なくされました。

約250台の荷車が一時的に難を逃れましたが、後に再び襲撃を受け、50台が失われました。最終的にオルミュッツに到着したのはわずか200台でした。オーストリア軍の手に落ちた荷車の総数は1,200台に上り、残りは破壊されました。さらに、プットカーマー少将を含む650人のプロイセン兵が捕虜となりました。

戦いの影響

ドームシュタットルの戦いにおけるオーストリア軍の勝利は、オルミュッツを包囲していたプロイセン軍に深刻な補給不足をもたらしました。その結果、フリードリヒ2世はオルミュッツの包囲を断念せざるを得なくなり、敵国の中核地帯への進撃は不可能となりました。

この戦いを記念して、100周年にあたる1858年には多くの書籍が出版され、ドームシュタットルでは記念碑の除幕式が執り行われました。

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