ナイものねだりはもうお姉妹

ナイものねだりはもうお姉妹



『ナイものねだりはもうお姉妹』は、2013年4月26日にAriesより発売された18歳以上対象の恋愛アドベンチャーゲームです。本作の核となるテーマは、それぞれに異なる劣等感やコンプレックスを抱える二組の姉妹が、主人公である青年との関係を通して自己と向き合い、成長していく過程を描くことにあります。ゲームは純愛路線を標榜していますが、同時に刺激的なHシーンにも力が入れられており、その両面が作品の特徴となっています。

物語



物語は、雨宮家の末っ子長男である主人公、武蔵の日常から始まります。二人の姉たちに何かと頼りにされ、時には振り回されながらも、向かいに住む幼馴染の一之瀬姉妹、和葉と帆花との交流を深め、穏やかな日々を送っていました。しかし、両親が長期旅行に出かけることになり、一之瀬姉妹が雨宮家で期間限定の同居を始めることになったことで、彼らの関係性は新たな展開を迎えます。そんな折、純粋に武蔵に好意を寄せていた妹の帆花が勇気を振り絞って告白したことをきっかけに、他の姉妹たちも内に秘めていた武蔵への想いを意識し始め、「このままでは武蔵が取られてしまう」という危機感を抱き、それぞれのやり方で彼への気持ちを行動に移し始めます。

個別ルートでは、各ヒロインの内面や抱えるコンプレックスが掘り下げられ、武蔵との関係を通じてそれを克服していく様子が丁寧に描かれます。

和葉ルート: 心に影を落とす出来事を経て内向的になった和葉が、武蔵との真摯な対話を通じて心を開き、互いに支え合う関係を築いていきます。困難に見舞われながらも、自身の信念を貫く彼女の成長が描かれます。
帆花ルート: 武蔵への一途な想いを形にしようと、慣れない花嫁修業にも励む帆花の健気な姿が描かれます。純粋な彼女の愛情が武蔵の心を動かしていきます。
美咲ルート: 弟として見ていた武蔵への複雑な感情と、優秀な姉・七海への羨望の間で葛藤する美咲。自身の気持ちと向き合い、素直な想いを伝えることで、武蔵との新たな関係を築いていきます。
七海ルート: 彼女の将来に関わる可能性のある情報がもたらされ、それが武蔵との関係にどのような影響を与えるのかが描かれます。

登場人物



物語の中心となるキャラクターは以下の通りです。

雨宮 武蔵: 本作の主人公。姉たちや隣家の姉妹に囲まれ、彼女たちの想いの対象となります。
雨宮 七海: 雨宮家の長女。成績優秀でしっかり者ですが、弟の武蔵に対して強いシスコンの気質を持っています。自由奔放な妹・美咲の生き方に羨ましさを感じています。
雨宮 美咲: 雨宮家の次女。ずぼらでゲームやアニメを好むインドア派。姉・七海を尊敬しつつ、対照的な自分に劣等感や羨望を抱いています。時に過激な性知識を披露することも。
一之瀬 和葉: 雨宮家の隣に住む一之瀬家の長女で、武蔵の幼馴染。幼少期は体が弱かったものの、現在は明るく元気。しかし、素直に感情を表現するのが苦手な一面があり、妹・帆花の無邪気さに羨望を抱いています。
一之瀬 帆花: 一之瀬家の次女。武蔵に純粋な好意を寄せており、物語のきっかけを作ります。

その他、和葉の幼馴染で武蔵の同級生である葛城穂鳥や、学校の特別講師である七々原彩花といったキャラクターたちが、物語を彩ります。

スタッフ・楽曲



本作の製作には以下のスタッフが携わっています。

原画・キャラクターデザイン: 戌角柾、有子瑶一
シナリオ: 高津新、保桜、芳井一、毘沙素
BGM: project lights

また、物語を盛り上げる楽曲も多数収録されています。

オープニングテーマ: 「Practice」
歌・作詞: 真里歌 (Angel Note)
作曲・編曲: 椎名俊介 (Angel Note)
挿入歌: 「恋風 -SweetHeart-」
歌・作詞: Lira (project lights)
作曲・編曲: maru (project lights)
挿入歌: 「道標-2013 arrange ver.-」
歌・作詞: 真里歌 (Angel Note)
作曲・編曲: 椎名俊介 (Angel Note)
エンディングテーマ: 「Find The Gate」
歌・作詞: 真里歌 (Angel Note)
作曲・編曲: Meis Clauson (Angel Note)

反響



Ariesのプロデューサーであるやまさきともや氏が、メディアのインタビューで本作の反響について語っています。氏によれば、ヒロインたちとの距離が近い設定を活かしたHシーンの描写や、本番シーンの多さがユーザーから評価された点として挙げられています。その一方で、物語の構成については単調に感じられたという反省点も示されています。また、ゲーム全体をプレイしたユーザーと、一部のみをプレイしたユーザーとでは評価が大きく異なり、最後までプレイしたユーザーからは概ね好意的な反応が得られたと述べています。

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