ナイロン100℃

ナイロン100℃（ナイロンひゃくどシー・NYLON100℃）

ナイロン100℃は、日本の演劇界において独自の存在感を放つ劇団です。この劇団は、主宰であるケラリーノ・サンドロヴィッチ（KERA）が中心となり、1993年に設立されました。本拠地は東京都で、主に下北沢の本多劇場などで公演を行っています。

歴史と設立背景

ナイロン100℃は、かつての劇団健康をルーツとしています。KERAはロックバンド「有頂天」のボーカリストであり、彼の創造性を活かして演劇の世界に参入しました。初公演は1993年8月に行われた「インタラクティブテクノ活劇『予定外』」で、これが劇団のスタートとなりました。劇団名は、渋谷に存在したニュー・ウェイヴのライブを行う喫茶店の名前に由来しています。

メンバーと制作体制

劇団には犬山イヌコ、みのすけ、峯村リエ、三宅弘城、松永玲子、大倉孝二など多くの才能ある俳優が在籍しています。また、KERAは製作会社「株式会社シリーウォーク」の代表も務めており、劇団の公演だけでなく、他のプロデュース公演の企画も手掛けています。しかし、KERAがマネージメント業務を行ったことで公演制作に支障が出てきたため、俳優事務所「ダックスープ」が設立され、マネージメント機能が分離されました。

作風と特徴

ナイロン100℃の特徴的なスタイルは、コメディ、ナンセンス、そしてストーリー性が組み合わさった「シリアス・コメディ」だと言えます。一般的には悲劇的な素材をコメディとして処理する手法を用い、観客に新しい笑いを提供します。また、脚本や演出においても緻密な構成を施し、観る者を引き込む作品が多いです。このような独自のアプローチにより、ナイロン100℃は多くの観客から支持を受けています。

主な受賞歴

ナイロン100℃は数々の賞を受賞しています。1998年に上演された『フローズン・ビーチ』ではKERAが第43回岸田國士戯曲賞を受賞しました。さらに、2018年の再演『百年の秘密』は第26回読売演劇大賞・最優秀作品賞を受賞しています。

公演の概要

ナイロン100℃の公演は「SESSION」と名付けられ、年々続けられています。初期のナンセンスギャグから始まり、時代とともに進化を遂げてきました。多くの作品が、独特の舞台芸術的な要素と新鮮なストーリー展開を兼ねており、観客に楽しさと考えさせられる要素を提供しています。

最近の公演には2023年の『Don't freak out』や2024年に予定されている『江戸時代の思い出』などがあり、常に新しい挑戦をしている劇団です。また、番外公演として、特別なセッションも行っており、より幅広い演劇体験を提供しています。

ナイロン100℃の持つ独自の魅力は、多様性あふれる作品群に現れており、今後も日本の演劇界での活躍が期待されます。

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