ナガサキピースミュージアムについて
長崎県長崎市の常盤地区に位置するナガサキピースミュージアムは、
平和祈念をテーマにした博物館です。この博物館は
特定非営利活動法人「ナガサキピーススフィア貝の火運動」によって運営されています。名誉館長には著名な
画家・原田泰治が、会長には
シンガーソングライターの
さだまさしが就任しています。
経緯と開館
1995年、
さだまさしは、「長崎から広島に向かって歌う」コンサート『夏・長崎から』を通じて、広島の原爆忌に
平和を祈願するためのコンサートを開始しました。しかしこの活動は、年1回のコンサートだけでは持続可能なものではないと考えられ、
平和の象徴としての博物館の設立が求められました。そして1995年から募金活動が始まり、
2003年4月19日に、
長崎県より無償貸与された松が枝埠頭の県有地にミュージアムが完成しました。この建物は、建築家の
古市徹雄の設計によるものです。
ミュージアムには、さまざまな
モニュメントが設置されており、特に福田繁雄による「宙(そら)へ」は注目に値します。この作品は音楽をテーマにしたもので、
平和が損なわれた際に最初に失われるものが音楽であるというメッセージを込めています。この
モニュメントは高さ10メートルに及び、台風の影響で一度曲がるも修復され、現在はしっかりと固定されています。
募金活動の紆余曲折
当初、
さだまさしや運営側は、募金が順調に集まり、数年以内にミュージアムが完成すると見込んでいました。しかし、観客の特性や、長崎に既に数多く存在する
平和モニュメントへの失望感から、募金が思うように進まなくなります。そのため、間もなく募金額を「1000円均一」から「1000円以上」に変更することになりました。
2001年のコンサートでは、
さだまさしが募金箱を持ってステージを降りたパフォーマンスをし、多額の募金が集まったものの、観客からは賛否が分かれる反応を受けました。最前列の一部のファンからは喜ばれたものの、後ろの方の観客からはブーイングが起き、これが全国放送で中継されたこともあり、大きな波紋を呼びました。こうした経験から、運営側は募金活動の方法を見直さざるを得なくなりました。
開館情報
ナガサキピースミュージアムの開館時間は、午前9時30分から午後5時30分までです。休館日は毎週月曜日で、月曜日が祝日の場合はその翌日が休館となります。また、年末年始(12月26日から1月1日まで)も休館です。
さだまさしが2006年まで毎年行っていたコンサートの翌日は、多くのファンがミュージアムを訪れるため、混雑することが多かったと言います。
このように、ナガサキピースミュージアムは
平和を願う人々に向けた重要な場所として、訪れる人々に感動と思考を促しています。