ナクベ

ナクベ - 古代マヤの輝かしい遺跡



ナクベ（Nakbé）は、グアテマラのペテン県北部に位置し、ミラドール盆地の中でも特に重要な古代マヤの遺跡の一つです。エル・ミラドールとともに先古典期に栄えた大規模な遺跡であり、古代マヤ文明の発展を物語っています。

地理的な位置と歴史的な背景



ナクベはエル・ミラドールの約12キロメートル南東にあり、サクベと呼ばれる古道で結ばれています。この地域で初めて栄えた都市の一つで、紀元前1000年から800年にかけて人々が定住を始めました。その後、紀元前800年から400年にかけては、石造建造物が発展し始めました。

「ナクベ」という名前は、1962年にこの遺跡を訪れた考古学者のイアン・グレアムによって名付けられました。彼はこの地の名前を「サクベのそば」という意味で解釈しています。

遺跡は大きく2つのグループに分かれ、それぞれがサクベでつながっています。特に、西のグループにある構造物1は48メートルの高さを誇り、紀元前300年から200年頃に完成しました。この場所からは、幅11メートル・高さ5メートルの彩色された巨大な鳥の仮面が発見されており、これは「鳥の主神」または「ヴクブ・カキシュ」とされる神を象徴しています。

また、紀元前500年から200年頃の石碑には、頭飾りやヒスイの耳飾りをつけた二人の人物が描かれていますが、残念ながら文字は残されていません。ナクベは当初は繁栄を誇ったものの、次第にその中心はエル・ミラドールに移っていったとされています。1世紀以降、ミラドール盆地の都市は衰退を迎えることになりますが、ナクベには引き続き人々が住み続けました。

ナクベにおける考古学的調査により、古典期後期のカラクムルで見られる「コデックス様式」と呼ばれる土器は、実際にはナクベで制作されたものである可能性が示唆されています。

調査の進展



ナクベは1930年代に航空写真によって発見され、その後イアン・グレアムが最初の調査を行いました。1980年代後半には、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のリチャード・D・ハンセンとグアテマラの考古学歴史研究所が共同で発掘調査を実施し、その結果はミラドール盆地プロジェクトとして展開されました。

このように、ナクベは古代マヤ文明の重要な遺跡であり、その歴史的価値は高いものです。さまざまな研究と発掘が進むことで、この地の魅力がますます深まっています。ナクベは、その壮大な建造物や文化的遺産によって、古代のマヤ人たちの生活や信仰を知る手がかりを提供し続けています。

参考文献



外部リンク


Mirador Basin Project

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。