ナショナル・セプテンバー11メモリアル&ミュージアム

ナショナル・セプテンバー11メモリアル&ミュージアム（National September 11 Memorial & Museum）は、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件の犠牲者を追悼し、その記憶を後世に伝えるために設立された国立の施設です。一般には「9/11メモリアル・ミュージアム」とも呼ばれています。この施設は、ニューヨーク市のグラウンド・ゼロ、かつて世界貿易センタービルが立っていた場所に位置しています。

このメモリアル&ミュージアムは、2つの主要な要素で構成されています。一つは、テロ事件で亡くなった全ての犠牲者の名前が刻まれたメモリアル（記念碑）です。もう一つは、事件に関する様々な資料を展示するミュージアム（博物館）です。メモリアルは、犠牲者の名前が刻まれたブロンズ製のパネルが、かつて世界貿易センタービルのツインタワーが立っていた場所に設けられた2つの大きなプールを取り囲むように配置されています。このプールは「リフレクティング・プール」と呼ばれ、その縁からは水が流れ落ちており、静寂と悲しみを象徴しています。

ミュージアムでは、テロ事件の発生からその後の出来事、そして犠牲者のストーリーを詳細に紹介しています。展示資料には、事件当時に使用された物品、写真、ビデオ映像、犠牲者の遺品などが含まれており、来館者は事件の悲劇と、そこから立ち直ろうとする人々の姿を深く理解することができます。

この施設は、同時多発テロから10年となる2011年9月11日にメモリアルが先行して開業し、2014年5月にはミュージアムが完成しました。年間を通して多くの人々が訪れ、テロの犠牲者を追悼し、平和の大切さを学ぶ場となっています。また、この施設は教育機関としての役割も担っており、テロの歴史や背景、そしてその影響を若い世代に伝えています。

重要な点として、ナショナル・セプテンバー11メモリアル&ミュージアムは、遺族などによって設立された民間施設である「9・11トリビュート・ミュージアム」（2022年8月17日閉館）とは別の施設であることに注意が必要です。両施設は共に9.11テロを追悼する目的を持っていますが、運営主体や展示内容、焦点が異なっています。

また、過去には記念館のパンフレットが複数言語に翻訳されていたにもかかわらず、アラビア語版が含まれていなかったことが問題点として指摘されました。この事実は、テロ事件の複雑な背景と、その影響が多岐にわたることを示しています。しかし、施設自体は世界中からの訪問者を歓迎しており、テロの悲劇を繰り返さないために、より多くの人々にこの場所を訪れてもらい、平和を願うメッセージを共有していくことを目指しています。

公式サイトや関連リンクは、より詳細な情報を提供しており、訪問を計画する際に役立つでしょう。また、ギャラリーには、施設の様子を撮影した写真が掲載されています。

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