ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (1935年)

1935年12月16日、第7回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞が発表されました。この賞は、アメリカ合衆国の映画批評家団体であるナショナル・ボード・オブ・レビューが主催する権威ある映画賞であり、その年の優れた映画作品を表彰するものです。

第7回となる本年度は、作品賞に『[男の敵]』が選ばれました。この作品は、アイルランド独立戦争を背景に、告密者として葛藤する男の姿を描いた社会派ドラマです。

作品賞のノミネート作品は、トップ10として発表されました。2位以下はアルファベット順に以下の通りです。

『乙女よ嘆くな(Alice Adams)』：アメリカ合衆国の青春映画。裕福な家庭に生まれながら、恋愛に悩む女性の姿を描いた作品です。
『アンナ・カレニナ(Anna Karenina)』：ロシアの古典小説を映画化した作品。社会的な規範と個人の愛の葛藤を描いています。
『孤児ダビド物語(The Personal History, Adventures, Experience, & Observation of David Copperfield the Younger)』：チャールズ・ディケンズの名作を映画化。孤児として苦難を経験する主人公の物語です。
『輝ける百合(The Gilded Lily)』：華やかな舞台裏を描いた作品。
『レ・ミゼラブル(Les Misérables)』：フランスの小説を映画化。社会的不平等と正義をテーマにした作品です。
『[ベンガルの槍騎兵]』：イギリス領インドを舞台にした冒険活劇。
『[戦艦バウンティ号の叛乱]』：歴史的事実を基にした海賊映画。バウンティ号の反乱を描いた作品です。
『人生は四十二から(Ruggles of Red Gap)』：アメリカ合衆国の喜劇映画。
『誰がコック・ロビンを殺したか(Who Killed Cock Robin?)』：詳細不明。

外国語映画賞もトップ10として発表されました。

『チャパーエフ(Chapaev)』：ソビエト連邦。ロシア内戦を描いた作品です。
2位以下はアルファベット順に以下の通りです。
『罪と罰(Crime and Punishment)』：アメリカ合衆国。ドストエフスキーの名作を映画化。
『最後の億萬長者(Le Dernier Milliardaire)』：フランス。
『[暗殺者の家]』：イギリス。サスペンス映画。
『白い処女地(Maria Chapdelaine)』：フランス。カナダの農村を舞台にした作品。
『母の手(La Maternelle)』：フランス。
『新グリム童話(The New Gulliver)』：ソビエト連邦。
『農民(Peasants)』：ソビエト連邦。
『戦場(The Battle)』：フランス、イギリス。
* 『マキシムの青春(The Youth of Maxim)』：ソビエト連邦。

第7回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、ハリウッド黄金期の映画作品を反映するものであり、映画史において重要な位置を占めています。これらの作品は、その後の映画制作に大きな影響を与え、現在でも高い評価を受けています。

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