ナターシャ・ヤー

ナターシャ・ヤーについて

ナターシャ・ヤー（Natasha Yar）は、アメリカのSFドラマ『新スタートレック』に登場する架空のキャラクターで、デニーズ・クロスビーが演じています。彼女はUSSエンタープライズDの保安部長を務め、階級は大尉です。また、日本語版では声優の沢海陽子が彼女の役を担当しました。愛称は「ターシャ」で、多くのファンに親しまれています。

人物背景

ナターシャ・ヤーは、ターカナ4号星出身です。この星は、惑星連邦が入植したものの、無政府状態に陥っていました。彼女は幼い頃に両親を殺され、妹のイシャーラと共に厳しい環境で生き抜かざるを得ませんでした。15歳の時、ターカナ4号星から脱出し、宇宙艦隊アカデミーに入校しました。彼女の才能を認めたジャン＝リュック・ピカードの救出任務を経て、USSエンタープライズDに配属されることとなります。

特筆すべきは、彼女がデータ少佐との唯一の性行為を経験した人物である点です。この出来事は、病原体の影響で彼女が精神的に不安定な状態に置かれていた際に起こりました。彼女の存在は、物語の中で重要な役割を果たしています。

殉職と運命の変化

ナターシャは、ヴェグラ2号星での不定形生命体アルマスからの救出任務中に殉職しました。しかし、TNGの第3シーズンでは、エンタープライズCがタイムスリップしたことで歴史が改変され、彼女の死は回避されることになります。それにも関わらず、彼女は「意味のない死を迎えたくない」と考え、エンタープライズDからエンタープライズCへ転属されることを決意しました。この行動は、彼女の強い意志と自己犠牲の精神を象徴しています。エンタープライズCが過去へ戻ることで未来は修正されましたが、彼女はその後ロミュランに捕えられたとされています。

また、同じくタイムスリップ事故の影響で、彼女の娘シーラがロミュラン人とのハーフであることが後の作品で判明します。シーラは、彼女の血筋を受け継いだキャラクターとして、物語に新たな側面をもたらします。

撮影の裏話

デニーズ・クロスビーは元々トロイ役でオーディションを受けていましたが、ヤー大尉に抜擢されました。しかし、当初のヤー大尉の役柄に満足できず、さまざまな新しい映画やドラマに出演することを希望し、『新スタートレック』を降板することになります。その後、彼女はゲスト出演としてTNGに復帰し、様々な形で再登場しました。ヤー大尉はすでに物語の中で死亡しているため、彼女が再登場する場面はアナザーワールドに設定されたものや、娘シーラの役として現れることが多くありました。

登場したエピソードは以下の通りです:

• - シーズン3 #63「亡霊戦艦エンタープライズC」 - 平行世界のヤー大尉
• - シーズン4 #100「クリンゴン帝国の危機（前編）」 - ロミュラン司令官シーラ
• - シーズン5 #101「クリンゴン帝国の危機（後編）」 - ロミュラン司令官シーラ
• - シーズン5 #107「潜入！ロミュラン帝国（前編）」 - ロミュラン司令官シーラ
• - シーズン5 #108「潜入！ロミュラン帝国（後編）」 - ロミュラン司令官シーラ
• - シーズン7 #177「永遠への旅（前編）」 - 過去の世界のヤー大尉
• - シーズン7 #178「永遠への旅（後編）」 - 過去の世界のヤー大尉

これらの再登場は、ファンにとっても特別な意味を持つものとなりました。ナターシャ・ヤーはそのキャラクター性と物語の深みから、スタートレックフランチャイズの中で永遠に記憶される存在となっているのです。

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