ナッサウ公国

ナッサウ公国：19世紀ドイツの領邦国家

ナッサウ公国（ドイツ語: Herzogtum Nassau）は、19世紀のドイツに存在した領邦国家であり、ナッサウ家によって統治されていました。この地域は、神聖ローマ帝国の解体後、ライン同盟に加盟し、その後ドイツ連邦の一員となりました。

歴史

1806年7月17日、ナッサウ＝ウージンゲン侯国とナッサウ＝ヴァイルブルク侯国はライン同盟に加わりました。同年8月30日、両国はナッサウ＝ウージンゲン侯フリードリヒ・アウグストの下で合併し、ナッサウ公国が成立しました。

フリードリヒ・アウグストは当初、フリードリヒ・ヴィルヘルムを後継者とする予定でしたが、1816年1月9日にフリードリヒ・ヴィルヘルムがヴァイルブルク城の階段から転落し急逝。その直後、同年3月24日にフリードリヒ・アウグストも亡くなったため、フリードリヒ・ヴィルヘルムの長男ヴィルヘルムがナッサウ公の地位を継承することになりました。

ウィーン会議（1814年 - 1815年）の結果、ナッサウ公国はドイツ連邦に加盟。1816年には首都をヴィースバーデンに移転しました。

普墺戦争とプロイセンによる併合

1866年に普墺戦争が勃発すると、ナッサウ公国はオーストリア帝国側を支持しました。しかし、オーストリアが敗北し、プラハ条約が締結された結果、ナッサウ公国はプロイセン王国に併合されることになります。プロイセンはオーストリアに対し領土や賠償金を要求しませんでしたが、ナッサウ公国を含むいくつかの領邦を併合しました。旧ナッサウ公国の領土は、旧ヘッセン選帝侯国と共にヘッセン＝ナッサウ州として再編されました。

当時のナッサウ公アドルフは廃位されましたが、1890年にルクセンブルク大公に迎えられ、以後、アドルフの子孫が現在までルクセンブルク大公位を継承しています。

このように、ナッサウ公国は短期間ながらもドイツの歴史に名を刻み、その血筋は現在のルクセンブルクにまで繋がっています。

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