ナノワイヤ

ナノワイヤとは

ナノワイヤ（Nanowire）は、直径がナノメートル（10⁻⁹ m）オーダーの極めて細い線状の構造体です。その特徴は、長さが太さの1000倍以上にもなる、非常に高いアスペクト比にあります。太さは数十ナノメートル程度ですが、長さには特に制限はありません。

ナノワイヤの物性

ナノワイヤの特筆すべき点は、その物性がバルク（塊状）の物質とは大きく異なることです。これは、ナノスケールという極微の世界では、量子力学的な効果が顕著に現れるためです。電子の閉じ込め効果や表面効果などが影響し、電気的、光学的、磁気的特性が変化します。

ナノワイヤの応用

ナノワイヤのユニークな物性は、様々な分野での応用を可能にします。

太陽光発電: ナノワイヤを用いて太陽電池の光吸収効率を向上させる研究が進められています。
ナノ発電機: 圧電性ナノワイヤに механическое 歪みを加えることで、電気エネルギーを生成するナノ発電機が開発されています。
ナノワイヤバッテリー: 電極材料としてナノワイヤを用いることで、バッテリーのエネルギー密度や充放電速度を向上させる試みがあります。
熱電材料: 熱エネルギーを電気エネルギーに、またはその逆に変換する熱電材料としての応用が期待されています。
メモリー材料: ナノワイヤの電気抵抗変化を利用した、高密度なメモリーデバイスの研究が行われています。

これらの技術を実現するため、金属、半導体、絶縁体、超伝導体など、様々な材料を用いたナノワイヤの研究開発が世界中で活発に進められています。

ナノワイヤ