ナポリ通過線

ナポリ通過線（passante ferroviario di Napoli）は、ヴィッラ・リテルノのローマ方面路線と、ナポリ・ジャントゥルコ駅のサレルノ方面路線を複線で結ぶ鉄道路線です。この路線は、ナポリ都市圏における鉄道輸送の重要な役割を担っており、ナポリ地下鉄、州内鉄道、州間鉄道、国内鉄道など、多岐にわたる列車が利用しています。

歴史

ナポリ - ローマ間ディレッティッシマ線の建設に伴い、貨物列車の利用がないサレルノ方面とローマ方面を直結する通過路線の建設が決定されました。この路線は、地上と地下の両方を通過する構造となっており、都市部の交通需要に対応できるように設計されています。また、通過線上には、以前から計画されていたものの実現していなかった地下鉄線の駅も建設されることになりました。

建設工事は1909年に開始されましたが、第一次世界大戦による中断や、通過地域の地形的な制約により、開業は1925年9月20日まで遅れることになりました。開業当初、通過線には郊外駅としてポッツオーリ、ジュリアーノ（ジュリアーノ＝クアリアーノ）、クアルト（クアルト・ディ・マラーノ）の3駅、市内駅としてナポリ・ガリバルディ、カヴール、モンテサント、アメデーオ、キアイア、フオリグロッタの6駅が設けられました。この区間は全線が複線化され、第三軌条集電方式を採用していました。

1927年には、キアイア駅がナポリ・メルジェッリーナ駅に、フオリグロッタ駅がナポリ・カンピ・フレグレイ駅にそれぞれ改称されました。同年には、ディレッティッシマ線の工事も完了し、ヴィッラ・リテルノ付近で通過線に接続するとともに、ナポリ・バニョーリ＝アニャーノ・テルメ駅とナポリ・ジャントゥルコ駅が開業しました。1929年にはナポリ・ピアッツァ・レオパルディ駅も開業しました。

その後、電化方式は架線集電式に変更され、新駅としてナポリ・カヴァッレッジェーリ・ダオスタ駅が開業、ナポリ・ピアッツァ・ガリバルディ駅も改装されました。

現在、通過線はジャントゥルコからポッツオーリまでの区間がナポリ地下鉄のLinea 2として利用されています。また、すべての駅にはカステッランマーレ・ディ・スタービア行きの都市列車や、フォルミア、サレルノ方面への州内列車が停車します。さらに、ナポリ・ピアッツァ・ガリバルディ駅、ナポリ・メルジェッリーナ駅、ナポリ・カンピフレグレイ駅には、インターシティやユーロスターなどの長距離列車も停車します。

駅と停車場

通過線には、以下のような駅や停車場があります。

ポッツオーリ
ジュリアーノ＝クアリアーノ
クアルト・ディ・マラーノ
ナポリ・ガリバルディ
カヴール
モンテサント
アメデーオ
ナポリ・メルジェッリーナ
ナポリ・カンピ・フレグレイ
ナポリ・バニョーリ＝アニャーノ・テルメ
ナポリ・ジャントゥルコ
ナポリ・ピアッツァ・レオパルディ
ナポリ・カヴァッレッジェーリ・ダオスタ

関連項目

Linea 2
* ナポリ地下鉄

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