ナム・グエン

ナム・グエン：カナダを代表したフィギュアスケート選手

ナム・グエンは、1998年5月20日、ベトナム系カナダ人の両親のもと、カナダのオタワで生まれました。グエンはベトナムで最も多い苗字であり、英語では「ニューエン」や「ニュエン」と表記されることもあります。

彼は幼少期からフィギュアスケートを始め、類まれな才能を発揮しました。2007年から2009年にかけて、カナダ国内のジュニアレベルの大会で数々のタイトルを獲得。2011年には、史上最年少でジュニアタイトルを獲得するという快挙を達成しました。さらに、2009年には四大陸選手権、バンクーバーオリンピックのエキシビションにも出場するなど、早くからカナダのフィギュアスケート界で注目を集める存在となりました。

2011-2012シーズンからは、ジュニアグランプリシリーズに参戦。ブラショフ杯で3位に入賞するなど、着実に国際舞台での経験を積みました。このシーズン、カナダ選手権にはシニアクラスで初参戦し、7位という結果を残しました。世界ジュニア選手権予選では、国際大会で初めてトリプルアクセルを成功させ、1位で通過。決勝では13位という成績でした。

2013-2014シーズン、ナム・グエンは四大陸選手権でシニアの国際大会にデビュー。10位という結果に終わりましたが、続く世界ジュニア選手権では、SP、FSともにノーミスの完璧な演技で優勝を果たしました。この優勝は、彼のフィギュアスケート選手としての地位を確固たるものにしました。

2014-2015シーズン、彼はシニアのグランプリシリーズに参戦。スケートアメリカでは銅メダルを獲得し、カナダ選手権では念願の初優勝を飾りました。さらに、世界選手権では5位入賞と、シニア選手としての実力を世界に示しました。

しかし、2015-2016シーズンは苦戦を強いられました。スケートアメリカ5位、ロステレコム杯7位と振るわず、カナダ選手権では4位に終わりました。世界選手権では、急遽出場が決まったものの、SPでジャンプのミスが相次ぎ、FS進出を逃して27位という結果に終わりました。このシーズンは、急激な身長の伸びによる体のバランスの変化が影響したとされています。

シーズン終了後、ナム・グエンはコーチをデヴィッド・グリンに変更し、練習拠点をアメリカのサンノゼに移しました。新たな環境で、さらなる高みを目指してトレーニングを積んだことでしょう。

彼のキャリアは、若くして才能を開花させ、数々のタイトルを獲得したものの、成長期特有の課題や、国際的な競争の厳しさも経験した、ドラマチックなものでした。カナダを代表するフィギュアスケート選手として、その華麗な演技と努力は、多くのフィギュアスケートファンに記憶されています。彼の活躍は、後進のスケーターたちにとって大きな刺激になったことでしょう。

主な戦績

2014年 世界ジュニア選手権 優勝
2018年 CS USインターナショナルクラシック 優勝
2015年、2019年 カナダ選手権 優勝
2015年 世界選手権 5位

参考文献

国際スケート連盟によるナム・グエンのバイオグラフィー
スケートカナダによるナム・グエンのプロフィール
* ナム・グエン公式SNSアカウント (X、Instagram)

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