ナラボー平原

ナラボー平原とは

ナラボー平原（英: Nullarbor Plain）は、オーストラリアにある広大な砂漠気候の平原で、グレートビクトリア砂漠の南部、グレートオーストラリア湾の北に位置します。この平原の面積は約20,000平方キロメートルに達し、東西方向には最大で1200キロメートルにわたる広がりを見せています。地域は南オーストラリア州と西オーストラリア州にまたがっています。

この「ナラボー」という名称は、ラテン語の「nullus（無い）」と「arbor（木）」に由来しており、平原の特徴を象徴しています。木がほとんど見られないこの地域は、自然環境においても独自の魅力を持っています。

自然環境

ナラボー平原は、かつて海底だったと考えられており、地殻の運動によって隆起し、その後風や雨の影響で浸食されて平坦な地形が形成されました。このような歴史的背景により、独特の生態系が育まれています。

気候は典型的な乾燥地帯であり、昼間の気温は最大で48.5℃に達することがありますが、夜間には0℃以下まで下がることもあります。年間の平均降水量は250ミリメートル以下であり、これが乾燥した環境を支えています。このような厳しい気候条件の中で、生活する生物たちは特に適応能力が求められています。

交通

ナラボー平原は、交通の要所としても重要な役割を果たしています。大陸の東西を結ぶ通信の必要性から、1877年に電報が敷設されました。現在でも、その名残を見ることができます。

大陸横断鉄道の建設は1917年に始まり、ウェスタンオーストラリア州のカルグーリーと南オーストラリア州のポートオーガスタの間で行われました。その後、ウールディーで接続し、1969年には全面的な改修が施され、軌間の統一がなされました。現在、この鉄道はインディアンパシフィック号として知られ、ナラボー平原を通る区間には、世界で最も長い直線区間（478キロメートル）が存在していることでも知られています。

さらに、1941年に開通したエア幹線道路は、ウェスタンオーストラリア州のノースマンとポートオーガスタ間を結びます。当初は未舗装でしたが、1976年までに全セクションが舗装され、便利な移動手段として利用されるようになりました。この道路は、南部のグレートオーストラリア湾に沿って走り、鉄道とは異なる景色を楽しむことができます。

まとめ

ナラボー平原は、その広大な面積と独特の自然環境に加え、交通の要所としての歴史も有する場所です。厳しい気候条件の中で、独自の生態系が形成されているこの地域は、訪れる価値のあるスポットと言えるでしょう。

もう一度検索