ナルヴィク盾章

ナルヴィク盾章について

ナルヴィク盾章（ナルヴィクたてしょう、ドイツ語: Narvikschild）は、1940年に行われたナルヴィクの戦いに参加したドイツ国防軍の兵士たちに授与された勲章です。授与対象は、陸軍、空軍、海軍に属する全軍の軍人です。この盾章は、アドルフ・ヒトラーの命により1940年8月19日に制定されました。

背景とデザイン

ナルヴィク盾章は、ミュンヘンの芸術家リヒャルト・クラインによってデザインされました。主に亜鉛を材料として作られており、初期には真鍮も使用されました。盾章のデザインは、軍種によって異なる色の当て布が付けられており、それぞれが独自のシンボルを持つのが特徴です。

• - 陸軍: 盾は銀色で当て布は灰色。
• - 空軍: 盾は銀色で当て布は灰青色。
• - 海軍: 盾は金色で当て布は深青色。

デザインの中心部には国家鷲章が配置され、その下に「NARVIK」という文字が刻まれています。また、盾の部分には特定の軍種を象徴するエーデルヴァイス、錨、プロペラが描かれており、これらは「1940」という年と共に表現されています。

佩用方法

ナルヴィク盾章は、基本的に軍服の左上に取り付ける形で佩用されます。当て布を通じて装着されるのが一般的ですが、一部の軍人は美しさを追求し、盾章をピンで直接服に取り付けることもありました。このような佩用方法には、個々のスタイルや好みが反映されています。

授与状況

ナルヴィク盾章が初めて授与されたのはエデュアルト・ディートルであり、その後多くの兵士がこの勲章を手にしました。授与された人数は以下の通りです。

• - 陸軍: 2,755人（死後追贈含む96人）
• - 空軍: 2,161人（うち操縦士1,309人、落下傘部隊756人、死後追贈410人）
• - 海軍: 3,661人（うち駆逐艦乗組員2,672人、商船乗組員442人、死後追贈432人）

これらの数字からも、ナルヴィク盾章がどれほど多くの兵士に与えられたかがわかります。

戦後の位置づけ

第二次世界大戦後、1957年には特定の条件の下でナルヴィク盾章の再着用が認められるようになりました。具体的には、国家鷲章が取り除かれた形であれば、再度着用することが可能となりました。これにより、激戦の歴史を持つこの盾章は、戦争の記憶とは別の意味で再評価されるようになったのです。ナルヴィク盾章は、戦争の流れだけでなく、軍人たちの誇りや伝統を象徴する重要なアイテムとなっています。

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