ニウタオ島

ツバル北部に位置するニウタオ島（Niutao）は、南太平洋に浮かぶ同国を構成する9つの行政区画の一つです。中でもニウタオは、陸地が一つの島だけで地区を形成する数少ない行政区画として知られています。2002年の国勢調査によると、島の人口は663人でした。

かつて島の人口が増加し過密状態となったため、1949年には一部の島民がニウラキタ島へ移住し、新たな生活の場を築いたという歴史を持ちます。

地理と地勢

ニウタオ島は全体的に楕円形をしており、その長さは約1.6キロメートルに及びます。標高は非常に低く、ほぼ平坦な地形です。島内には二箇所の黒く、塩分を含む湖沼が存在します。特に大きい方の湖には三つの小さな島が浮かんでおり、治水のためにダムも整備されています。島の地下水を利用するため、三箇所の井戸から淡水を汲み上げることが可能です。

集落と施設

かつては「トゥアパ村」と呼ばれる一つの村が「アンガフォウルア」の近くにあったとされていますが、2002年の国勢調査時には、「クリア村」（人口224人）と「テアヴァ村」（人口439人）という二つの村が存在しています。島民が集まる公民館（マネアパ）が一箇所、キリスト教のロンドン宣教師協会によって設立された教会が一軒、そして郵便局が一局設けられています。島内の公共施設としては、村の生活圏からやや離れた場所に配置されており、例えば海沿いの道を約800メートル進んだ先に墓地があり、また時計回りに4分の1周（約400メートル）の距離には病院が設置されています。

自然と食料

島の景観は豊かな緑に覆われていますが、植生の種類は限定的です。島民の主要な食料源としては、

プラカと呼ばれる巨大なタロイモ
パンノキの実
ココナッツ
タコノキ

などが挙げられます。

交通

島内には舗装された道路の区間も見られますが、鉄道や空港は存在しません。そのため、外部との間の交通手段は限られており、島の孤立性が高いと言えます。

著名な出身者

ニウタオ島からは、ツバル政治において重要な役割を果たした人物が複数輩出されています。

サー・トム・シオネ：島選出の国会議員であり、ツバルの総督や国会議長といった要職を歴任しました。
タヴァウ・テイー：現在も島選出の国会議員として、ツバルの副首相兼天然資源大臣を務めています。

これらの人物は、小さな島であるニウタオの名をツバル国内、そして国際的にも知らしめる存在となっています。

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